体調の悪い妊婦

皆さんは自分の血糖値がどれくらいか知っていますか。血糖値が高いと起こる様々なトラブルがありますが、妊娠するとその血糖値が高くなりやすいのです。

今回は妊娠中の血糖値の変化により現れる症状、その原因、対処方法についてお伝えをしていきます。



妊娠中の血糖値を改善させる3つの方法!


1) 妊娠による身体の10の変化

(1) 妊娠初期

生理の遅れ 

妊娠すれば生理は止まります。生理が1週間以上遅れたら妊娠の可能性を疑ってもよいでしょう。

頭痛 

初期症状として意外と多くの妊婦さんが悩まされています。ホルモンバランスの変化が関係していると言われることが多いようですが、はっきりとした因果関係は解明されていません。

眠気 

1日中眠くて仕方がないという人も多いようです。

頻尿 

妊娠した子宮が少しずつ大きくなるため、子宮のすぐ全方向にある膀胱を圧迫するために起こります。

つわり 

胃がむかむかしたり、食欲がなくなったりしますが、妊娠初期ではつわりと解らず頭痛の症状と合わせて風邪などの体調不良と間違える人も多いようです。

(2) 妊娠中期

体型の変化 

体全体がふっくらしてきて、バストがワンサイズ程度大きくなります。

便秘 

ホルモンバランスの変化や子宮がどんどん大きくなり腸を圧迫することで便秘を引き起こします。

(3) 妊娠後期

腰痛 

お腹が大きくなってくると体の重心が前に傾きます。お腹の重みを背側で支えることになり、自然に体を反らしてバランスを取ろうとします。

この姿勢は背骨の自然なカーブを反対方向に反らしてしまうため腰痛を引き起こします。

(4) 出産後

子宮収縮 

妊娠で膨らんだ子宮を元のサイズに戻し、子宮内で続く出血を止めるために子宮が伸縮します。

悪露 

子宮からの出血で、出産により剥がれ落ちた子宮内膜、胎盤があった場所や産道の傷跡からの分泌物のことを言います。産後すぐから1か月ほど続きます。

2)妊娠中なぜ血糖値が変化するのか2つの理由

妊娠するまで糖尿病ではなかった人が妊娠中に糖尿病を発症した場合「妊娠糖尿病」と呼びます。

(1)インスリンの働きが悪くなる

妊娠中に分泌されるホルモン(インスリン拮抗ホルモン)の影響でインスリンが効きにくい状態になり、血液中の糖の分解が難しくなるため血糖値が高くなります。

(2)つわり

つわりがひどくて食べたものを全部はいてしまう人もいます。すると糖質の多いジュースやお菓子、果物などは大丈夫ということで多めに摂取し、それが原因で血糖値が高くなることもあります。

3)妊娠の正常な血糖値とは

血糖値を測るため血液検査を行います。血糖値の正常値は、一般的に空腹時100mg/dl以下、食後120mg/dl以下です。

(1) 妊娠初期

血液検査で100mg/dl以上の場合「75gOGTT」の検査を行います。

「75gOGTT」(空腹時経口ブドウ糖負荷テスト)とは、朝食抜きで受診し、ブドウ糖75gを飲む前、飲んでから1時間後、飲んでから2時間後の合計3回血糖値を測ります。

空腹時100mg/dl以上、1時間後180mg/dl以上、2時間後150mg/dl以上のうち2項目を満たすと妊娠糖尿病と診断されます。

(2) 妊娠中期

血液検査で140mg/dl以上の場合「75gOGTT」の検査を行います。糖尿病でない人が妊娠したことにより糖尿病になっても、症状が軽ければ出産後には正常に戻ります。

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4)妊娠中の血糖値を放っておく7つのリスク

お母さんの血糖と赤ちゃんの血糖はほぼ同じですので、お母さんが高血糖になれば赤ちゃんも高血糖となり多くのトラブルを赤ちゃんに引き起こします。

(1)大きな赤ちゃん

赤ちゃんが大きくなりすぎて難産の危険が増します。

(2)発育不全

子宮や胎盤への血流が悪くなり、赤ちゃんに必要な酸素や影響分が充分に行き渡らなくなります。

(3)奇形

(4)低血糖

(5)心臓病

(6)新生児血糖

(7)胎児死亡

お母さんにも、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、胎盤早期剥離、帝王切開などリスクが高まります。

5)妊娠中の血糖値を改善させるための3つの対処法

(1)十分な睡眠

睡眠不足や疲れを防ぎましょう。

(2)甘いものを控える

食後の血糖値を上げやすい糖質を過剰摂取しないように注意する。スポーツ飲料などの飲み物、果物も糖分を多く含むものがあるので注意が必要です。

(3)適度な運動

食後に30分程度運動をする。ウォーキング、マタニティヨガ、マタニティスイミングなど。

ジョギング、ウォーキングなどの軽い有酸素運動で脂肪燃焼に加えて、運動によって血中の糖分がエネルギーに変換され血糖値を下げることにつながります。

週に3~5日、1日30分程度から始めると良いでしょう。

6)妊娠中の血糖値がひどく気になる場合の3つの治療法

血糖値の検査費用は健康保険が適用されるので3,000円ほどで収まる場合が多いです。

検査方法

検査の前日の食事は夕食の後何も口にしない。当日の朝食は摂らない。

水を飲んでも良いと言われた場合は検査の1時間前までなら口を潤す程度なら飲んでも良いでしょう。空腹の状態で採血と採尿をします。

終わったら、瓶に入っているブドウ糖を飲みます。病院によって違いがありますが、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血と採尿を行います。

最後の採血と採尿が終わって30分くらいで結果が出るところが多いようです。検査のため入院する場合、2泊3日で4万円程かかります。病院によって多少の違いがあります。

(1)食事療法

1日の摂取エネルギーを制限する。体内で糖分になるお米や麺類、パンなど炭水化物や砂糖をたくさん使ったお菓子は控える。

(2)運動療法

運動をすることで血中の糖分をエネルギーとして消費し血糖値を下げる。

(3)インスリン療法

インスリン注射によってインスリンを補う。インスリンはお腹の赤ちゃんには移行しないので、赤ちゃんへの影響は心配ありません。

Doctors who have medical records and doctors have a tablet

7)妊娠中の血糖値改善におすすめの5つの食材

(1)五穀米

玄米、雑穀米には多くのビタミン、ミネラルが含まれ血糖値を下げる作用があります。

(2)ネバネバ食材(納豆、オクラ、山芋など)

ネバネバした成分はペクチンなどの食物繊維です。炭水化物の消化吸収を抑え血糖値の急上昇を防ぐインスリンの作用を助ける亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも豊富です。

(3)玉ねぎ

ミネラルが豊富で血糖値を下げる性質があります。

血液をサラサラにする血栓予防効果があるので、血糖値が高いと血管壁に炎症が発生しやすいがそのダメージを軽減する作用が期待できます。

(4)バナナ

血糖値をダイレクトに下げてくれるカリウムなどが含まれています。

糖分を含んでいるのであまり大量に食べるのはおすすめしませんが、血糖値は心配だけど甘いものが欲しいという人に適しています。

(5)お茶(麦茶、緑茶)

血糖値を下げる効果があります。食物繊維が豊富なキノコ類、海藻類、根菜類、こんにゃくなどを積極的に摂りましょう。

洋食より和食がおすすめです。1口につき30回を目安に噛んで、食べる量を減らすようにしましょう。

血糖値の急激な上昇を抑える効果があるので、お酢を取り入れたり、油を使うときはオリーブオイルを選ぶと良いでしょう。

小腹が空いた時のおやつには、プレーンヨーグルトや小魚がおすすめです。

8)妊娠中の血糖値改善を目的に相談できる4つの専門家

血糖値の高さが気になる場合、

(1)内分泌代謝内科

(2)糖尿病内科

(3)糖尿病科

(4)糖尿病外来のある病院

を受診しましょう。妊娠糖尿病の場合は胎児の成長に不可欠なカロリーと栄養素を含んだ食事計画が指導されます。

食事療法と運動療法だけでは十分な血糖コントロールができない場合はインスリン療法に移ります。



今回のまとめ

1)妊娠するといろいろな身体の変化が起きる。

2)妊娠することで起きる病気もある。

3)血糖値を安定させるように注意しましょう。

4)血糖値を放っておくと母子ともに危険にさらされる可能性が高まる。

5)健康的な食事、適度な運動、十分な睡眠が大切。

6)日常生活の中で気を付けることが血糖値の改善につながる。

7)洋食より和食がおすすめ。

8)糖尿病の専門医に相談しよう。