細い糸のような葉と、小さな黄色い花が特徴的なフェンネルは、昔から食事の香りづけや薬用などで幅広く利用されてきました。
近年ではサプリメントとして摂取がより手軽になったフェンネルには、一体どんな効能があるのか、その効能の秘密をご紹介します!
目次
アネトールが効く?フェンネルに期待できる美容効能7選
1)そもそも「フェンネル」とはなに?
(1)フェンネルとは
フェンネルはセリ科の多年草で、毎年のように育つ大型の植物です。葉は細かく枝分かれしており、糸のように細長い特徴をもちます。花は初夏から夏頃にかけて、黄色い小さな花をまるで傘を広げたような姿で咲かせます。茎葉や種には独特の芳香があり、昔からハーブやスパイスとして利用されています。
日本には平安時代の頃に入ってきて、江戸時代ですでに栽培されていたようです。完熟寸前の種を収穫して干したものは痰切りや胃薬として利用されており、またヨーロッパでは咳止めや利尿作用に効果があるとして利用されてきました。薬として役に立つだけでなく、魚料理の臭みを消したりスパイスになったりと、料理にもよく利用されているまさに万能な植物なのです。
(2)科目・原産地
科目:セリ科ウイキョウ属
原産地:地中海沿岸
(3)草丈・開花期
草丈:80cm~2m
開花期:6月~8月
(4)名前の由来
「小さな干し草」を意味するラテン語の「foeniculum」が変化して「fennel(フェンネル)」になったと言われています。また、別名を「ウイキョウ」とも言いますが、これは完熟寸前の種を天日干ししたものを「茴香(ういきょう)」と呼ぶことからその名で呼ばれるようになりました。
2)フェンネルってどうやって摂取するの?3種類の摂取方法とは?
(1)食事
フェンネルは昔から、料理のスパイスとして利用されてきた歴史を持ちます。魚料理では臭みを消したり、香草として料理にアクセントを付けたりと、さまざまな料理に活用されています。そのため、食事として摂取する方法が昔から一般的です。
(2)サプリメント
最近ではサプリメントとして手軽に摂取することが可能です。中々普段の料理でフェンネルを使うという機会がない人にとっては、毎日安定してフェンネルを摂取出来るサプリメントの方が手軽で便利と言えるでしょう。
(3)漢方・薬
フェンネルは昔から、痰切りや胃痛などの薬や漢方の処方として利用されてきました。そのため、それらの症状に悩まされている人にとっては、薬として摂取する方法が最も効果的と言えます。
3)実は種類によっても違いがある?特徴の違いとは
(1)スイートフェンネル
フェンネルの基準種です。葉の香りが強いため、香草や薬用などで昔から幅広く利用されています。
(2)ブロンズフェンネル
葉が銅色なのが特徴の園芸品種です。食用のほか、庭の装飾を目的として栽培されることも多く、耐寒性が基準種よりもやや強いです。白ワインに浸けるとルビー色のハーブビネガーが出来ます。
(3)フローレンスフェンネル
草丈が基準種よりも低めで、株元が肥大するフェンネルの中でも変種です。鑑賞を楽しむよりも、一年草の野菜として栽培されることの方が多く、肥大した部分を花が咲く前に収穫したら、生でサラダにしたり加熱してスープに利用したり出来ます。また、半耐寒性でとう立ちしにくい品種でもあります。
4)要チェック!フェンネルに含まれる代表的な栄養素
(1)アネトール
フェンネルに含まれる精油成分で、植物性エストロゲンとも言います。フェンネルの持つ香りの基でもあり、このアネトールは女性ホルモンの働きを助けて、さらにバランスを整えてくれる働きがあります。
アネトール(植物性エストロゲン)は、エストロゲンと競争してエストロゲン受容体へ入り込もうとする性質を持っているため、体内でエストロゲンの量が減少している場合にエストロゲンと似たような働きをしてくれます。また、反対にエストロゲンの量が多すぎる場合には、全体的なエストロゲンの作用を弱めてくれる働きも持っています。
そのため、体内の調子に合わせて女性ホルモンの働きを助けたり、バランスを整えたりしてくれるのです。さらには、ホルモンバランスを整えるだけでなく、循環器系へも刺激作用があるため、体内で様々な働きをしてくれると言われています。
5)フェンネルに期待できる7大効能とは
(1)更年期障害の改善
女性は閉経前後になると、体内のエストロゲンが著しく低下してしまいます。その結果更年期障害が起こりますが、フェンネルに含まれるアネトールの働きによって、不足した体内のエストロゲンを補う働きをしてくれるため、更年期障害の症状を緩和してくれるとされています。
(2)月経不順・生理痛の改善
体内のエストロゲン量が多すぎると、月経前症候群や月経不順、生理痛が酷くなったりすることがあります。フェンネルに含まれるアネトールにはエストロゲンの過剰分泌を抑えてくれる効果がありますので、月経前症候群や月経不順、生理痛などに効果があるとされています。
(3)老化防止
女性の場合は閉経後に、エストロゲン量の減少によって急激に老化が進むことがありますが、アネトールがエストロゲンに似た働きをしてくれることで、老化防止の効果があると期待されています。
(4)むくみ・冷えの改善
むくみは体内で水分が溜ってしまったり、血流が滞るなど、循環器系で問題があると起こる症状です。また、むくんだ部分は血流が滞っているため、冷えの症状も起こりやすくなります。フェンネルには循環器系への刺激作用があるため、その刺激により血流が良くなり、むくみや冷えが改善される効果があるとされています。
(5)整腸作用
フェンネルの香り成分の効果によって、消化促進や利尿作用があるとされています。そのため、余分なものを積極的に体外へ排出してくれる働きによって整腸作用の効果が期待されています。また、ハーブのような香りは食欲増進効果もあるため、食欲が低下している時にも効果的です。
(6)スキンケア効果
フェンネルには殺菌や消毒作用によって、肌を清潔に保つ働きや毒素の排出を促進する浄化作用の効果が期待されています。そのため、ニキビ肌やシワ、シミ、たるみなど肌のスキンケアにも効果的とされています。
(7)口臭ケア
フェンネルの殺菌や消毒作用により、口腔内の環境を整えてくれるため、口臭ケアや予防に効果があると言われています。
6)オススメの食べ合わせって?一緒に摂取したい3つの食材
(1)魚
フェンネルは香りが強いため、魚と一緒に調理することで臭みを消してくれる効果があります。
(2)肉
魚同様に、肉の臭みを消してくれます。臭みを消すだけでなく、香草の香りが食欲をそそり、料理の上品さも増します。
(3)酒
フェンネルはお酒の香りづけにも利用されますので、ちょっと贅沢にお酒を飲みたい気分の時にはフェンネルを用いることもあります。
7)どんな摂取が効果的?効果的な飲み方とは?
フェンネルは基本的には料理で利用することが多いです。そのため、食事として摂取することが一般的ですが、食事にあまり手間暇をかけられないという人の場合には、サプリメントで摂取するのが手軽で効果的です。サプリメントで摂取する場合には、注意書きにある用法や用量を守って摂取しましょう。
8)知っておこう!フェンネルの摂取での注意点とは?
フェンネルの種子の油分には、女性ホルモンに近い働きがあるとされています。そのため、子宮がんや乳がんなどの女性特有の病気を持っている人は摂取しないようにしましょう。また、思春期前の女の子や赤ちゃんにも与えない方が良いとされているため、婦人系の病気のある女性や思春期前の女の子、赤ちゃんの摂取は控えましょう。
まとめ
1)昔から料理のスパイスや薬用として利用されてきた歴史を持ちます
2)体内への摂取以外の目的でも、品種によっては栽培して鑑賞を楽しむことも出来ます
3)女性に対しての効果が高く、更年期障害や月経不順、生理痛の改善などに効果があります
4)整腸作用やむくみ、冷えの改善のほか、口臭予防にも効果があるとされています
5)婦人系の病気を持つ女性や思春期前の女の子、赤ちゃんへの摂取は控えましょう
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