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現在日本では糖尿病予備軍と言われている人数は700万人に及んでいると言われています。糖尿病は未然に生活習慣を改善すれば防げる病気です。

今回は早期に糖尿病を発見するための前兆の症状、特徴、検査方法や予防のポイントをお伝えします。






セルフチェック!糖尿病の20の前兆とは


1)糖尿病の4つの種類とは

(1)1型糖尿病

自分の膵臓からインスリンがほとんど分泌されない糖尿病です。

(2)2型糖尿病

食事量が多い、運動量が少ないなどでインスリンの分泌量が相対的に不足する糖尿病です。生活習慣病や肥満から起こり、境界型糖尿病から治療が必要な糖尿病に移行する場合があります。

(3)病気や遺伝が原因の糖尿病

肝臓・膵臓の病気、細菌やウイルス感染、免疫異常や遺伝が原因の糖尿病です。

(4)妊娠糖尿病

妊娠の時から現れる糖尿病で、赤ちゃんに合併症が見られる場合があります。

2)糖尿病の20種類の前兆症状

(1)高血糖による前兆

・喉が渇き水分を摂る、尿の回数が多い

・だるい

・いつも空腹感がある

・食べているのにやせる

・急に太る

・尿の臭いが甘酸っぱい

・風邪をひき易い

(2)眼に現れる前兆

・目かかすむ

・ものが二重に見える

(3)神経障害による前兆

・立ちくらみ・めまい

・下痢・便秘

・手足のしびれ

・イライラしやすい

・上半身または下半身だけ汗をかく

・性欲減退

・生理不順

・胃もたれ

(4)血管障害による前兆

・高血圧

・高脂血症

・足のむくみ

上記の20項目、当てはまる項目が多ければ多いほど、糖尿病進行の可能性は高いと考えられます。

Doctor shaking hands to patient

3)糖尿病になった時の8つの症状

(1)糖尿病性網膜症

初期には目のかすみ程度ですが、進行すると網膜剥離を起こして失明する場合があります。

(2)糖尿病性腎症

腎臓の機能が壊れて細胞から出た老廃物を、尿として身体の外に出せなくなる「尿毒症」に進行します。「尿毒症」になると「人工透析」(週に2〜3回・治療時間4〜5時間)を一生続ける必要があります。

(3)糖尿病性神経障害

手足がしびれる、動きにくくなるなどの症状が起こります。温度感覚が鈍り、火傷をすることもあります。

(4)脳卒中

動脈硬化により、脳の血管が破れたり詰まったりします。脳卒中を起こすと、身体の半身(同側の手足)のマヒが残ったり言語障害が残ったりする場合があります。

(5)心筋梗塞

動脈硬化により心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が詰まり、心臓の筋肉の一部が死んでしまいます。

(6)感染症

免疫システムが乱れて、風邪をひき易くなったりケガや傷が治りにくくなったりします。

(7)皮膚の障害

新陳代謝が悪く細胞が弱くなり、皮膚の傷の治りが悪くなります。

(8)動脈硬化症

足の動脈が詰まり、詰まった動脈の先の細胞は死んで(壊死して)しまいます。

4)知っておきたい血液検査の2つの注意点

(1)前日の注意点

運動:普段行わない激しい運動は、控えましょう。

食事:普段と同じようにしましょう。出来るだけ午後9時頃までに、食事を済ませましょう。

睡眠:あまり夜更かしせずに、早めに寝ましょう。

(2)当日の注意点

食事:空腹での採決なら、朝食を食べずに朝早めに受診しましょう。空腹の指示が無ければ、朝食後の受診で問題がありません。

服装:ゆったりした、袖をまくりやすい服を選びましょう。

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5)糖尿病と関係のある血液検査で分かる4つの数値

(1)糖尿病をチェックする血液検査

血糖値

基準値:空腹時126mg/dl以下、時間に関係ない血糖値(随時血糖値)200mg/dl以下

血液中のブドウ糖の濃度を見ます。

HbA1c(グリコヘモグロビンまたはヘモグロビン・エイワンシ—)

基準値:4.6〜6.2%(NGSP:国際基準)

赤血球の中にヘモグロビン(Hb)というたんぱく質があります。ヘモグロビンは身体の中に酸素を届ける役割を持ちます。

HbA1cは、血液中のブドウ糖と結びつくので、血糖が高いほどたくさんのブドウ糖と結びつく性質があります。

赤血球の寿命は4カ月あり、HbA1cは2ヶ月間の平均の血糖値を示します。

75gOGTT(75g糖負荷試験)

基準値:2時間値200mg/dl以下

空腹のまま75gのブドウ糖を溶かした水を飲んで、糖処理の能力を調べます。

(2)糖尿病と診断される数値

空腹時血糖値

126mg/dl以上

随時血糖値

200mg/dl以上

75gOGTTの2時間値

200mg/dl以上

HbA1c

6.5%(NGSP:国際基準値)以上

*㈰〜㈬のどれか1つでもあれば、「糖尿病型」で今後の生活に注意が必要です。

*㈰〜㈫のどれかと㈬があれば、「糖尿病」で、治療を始めることが必要です。

*空腹時血糖100以上126mg/dl未満、75gOGTTの2時間値140以上200mg/dl未満の場合は、「境界型」で「糖尿病型」と同様に生活上の注意が必要です。

6)糖尿病の7つの検査方法とは

内科を受診しますが、糖尿病内科・糖尿病科などと標榜している病院もあります。

(1)問診

・自覚症状について(のどの渇きや尿回数、体重の増減など、糖尿病に関連する自覚症状があるかを聞きとる)

・今までかかった病気などについて

・仕事や睡眠など、日常生活について

(2)身長と体重

(3)血液検査

(4)レントゲン検査(胸部・腹部)

(5)心電図検査

(6)目の検査(視力・網膜・眼底の状態)

(7)75gOGTT(空腹での検査となるために、日を改めて行う)

目の検査については、眼科で行います。上記の検査については、全て健康保険で行えます。

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7)糖尿病の治療方法とは

(1)生活習慣の改善

肥満の解消

食事療法

運動療法

禁煙

(2)薬物治療

血液検査で改善が見られなかったり、糖尿病性網膜症などの合併症が見られたりしている場合には、内服やインスリン注射により、早期に血糖値を安定させます。

(3)合併症の治療

網膜症・腎症・神経症・動脈硬化・高血圧症・高脂血症・脳血管障害などがある場合には、それらも合わせて治療をします。

8)糖尿病予防にオススメの6つの食材

糖尿病で食べてはいけない食材はありません。ただし、全ての食品群からバランスよく食べることが、糖尿病予防のカギです。

(1)キノコ類

低カロリーでうま味も出るので、毎日でも摂りたい食材です。具だくさん味噌汁や野菜炒めなど、どんなメニューにも合います。

刻んでハンバーグに混ぜると、カロリーが低く抑えられます。

(2)海藻類

味噌汁・酢のもの・サラダなどに使え、ワカメご飯などにするとかさも増えて少量でも満足出来ます。塩分が多くならないように、注意しましょう。

(3)野菜

葉物野菜は、食事のかさを増やすためにもたくさん使いましょう。芋類はカロリーが高くなるので、多量に摂らないようにしましょう。

(4)大豆製品

比較的低カロリーで、良質のたんぱく質が取れる食材です。積極的に使いましょう。

(5)魚介類

あじやサンマなど、小ぶりのものなら1尾が1度に食べられて、見た目を満足させます。

(6)肉類・卵

肉は脂身を避けて、赤みのものを食べましょう。卵は良質なたんぱく質なので、1日に1個は摂りましょう。

9)糖尿病の4つの予防ポイント

(1)和食・定食スタイルの食事

ラーメンだけ、パスタだけという食事ではなく、ご飯・味噌汁・主菜・副菜という定食スタイルを意識しましょう。

フライ・唐揚げよりも生姜焼きなど、油を少なくしましょう。

(2)まめに動く

特別な運動は、なかなか続きません。なるべく階段を使う、手元にモノを置かないで取りに行くなど、まめに身体を動かすようにしましょう。

ウオーキングなどの習慣がある場合は、続けましょう。

(3)ストレスの軽減

イライラすると、甘いものをたくさん食べたりドカ食いをしたりと、食生活も乱れます。ゆっくり風呂にはいる、ゆっくり寝るなどして、ストレスをためないようにしましょう。

(4)禁煙

タバコは動脈硬化を加速させるので、止めましょう。






今回のまとめ

1)糖尿病の種類は、1型糖尿病・2型糖尿病・病気や遺伝が原因の糖尿病・妊娠糖尿病です。

2)糖尿病の前兆は、高血糖による前兆・眼に現れる前兆・神経障害による前兆・血管障害による前兆があります。

3)糖尿病になった時の症状は、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害・脳卒中・心筋梗塞・感染症・皮膚の障害・動脈硬化症です。

4)知っておきたい血液検査の注意点は、前日の生活と当日の食事や服装です。

5)糖尿病と関係のある血液検査は、血糖値・HbA1c・75gOGTTです。

6)糖尿病の検査方法は、問診・身長と体重・血液検査・レントゲン検査・心電図検査・目の検査です。

7)糖尿病の治療方法は、生活習慣の改善・薬物治療・合併症の治療です。

8)糖尿病予防にオススメの食材は、キノコ類・海藻類・野菜・大豆製品・魚介類・肉類・卵です。

9)糖尿病の予防ポイントは、和食・定食スタイルの食事・まめに動く・ストレスの軽減・禁煙です。