診察を行うドクター

国民病ともいえる糖尿病ですが、その実態をご存知の方は案外少ないようです。馴染みのある病なだけに俗説があふれ、かえって正しい知識を持っているひとは少数派です。

今回は糖尿病の完治へ必要となる、原因対処法、予防法の知識をお伝えします。



糖尿病の完治へ!抑えておきたい3つの治療法


1)糖尿病とはどんな病気か

(1)予備軍を含め国民の5人に1人

誰もが耳馴染みであろう糖尿病とはどのような病気なのでしょうか。国民の五人に一人がその予備軍といわれているほど、誰がなってもおかしくはない病なのです。

よく肥満の人がなりやすいとか、遺伝がとかが糖尿病の原因といわれていますが、実のところその要因は多すぎて、罹患しても必ずしも当人のせいとはいえません。

では糖尿病になると身体の中でなにがおきるのでしょうか。

(2)糖尿病の2つのタイプ

糖尿病は2つの別けられます。2型と1型です。普通、糖尿病という場合2型を指します。糖尿病患者の10人に9人はこれに該当するからです。

若者もなりますが、一般的には40代以上の人がなりやすいものです。1型はごく少数派で、若い内から発症し、年代に関係なく発症します。

糖尿病になると体内のインスリンのコントロールが上手くいかなくなります。1型となるとインスリンがまったくといっていいほど作ることができないほどです。

(3)インスリンが適切に働かない

インスリンとはすい臓から作られるもので、血液中の糖分のコントロールをするものです。食事をすると血糖値が上がりますが、それを適切な状態にまで戻してくれるのもインスリンの働きのひとつです。

糖分、すなわち身体のエネルギーを全身に上手く届くようにしてくれるのがインスリンなのです。

糖尿病はそのインスリンが適切に分泌されなくなったり、不足したり、1型となるとほとんど分泌できなくなったりするのです。

そのため身体の各部で栄養のバランスが崩れ、さまざまな症状を引き起こします。疲労感、頻尿、目がかすむ、空腹感や喉の渇きがひどくなる、などが一部としてあげられます。

2)糖尿病の8つの前兆(初期症状)

糖尿病の前兆は非常に弱くわかりにくいもののために、自覚症状はほとんどないまま少しづつ症状が進行していきます。

(1)肌が乾燥しやすくなる

(2)手足の感覚が低くなる、もしくは刺すような痛みがある

(3)風邪などに罹りやすくなる

(4)目のかすみ

(5)トイレに行く回数が増える

(6)EDになる

(7)身体の傷の治りが遅い

(8)ひどい飢餓感に襲われる

これらは糖尿病の症例の一部ですが、はっきりとした自覚症状が現れた時点で症状はかなり進行しているといえます。

糖尿病の症状は初期症状がそのまま深刻化していきます。糖尿病は現時点では完治することはないので、対処療法によって生活していくことになります。

4)糖尿病の8つの主な原因

上述したように糖尿病には2つの型に別けられます。それぞれによって原因されるものが違います。

2型の場合

(1)肥満

(2)遺伝によるもの

(3)ひどい運動不足

(4)高血圧

(5)強いストレス

(6)40歳以上である

1型の場合

この1型の場合、原因がほとんどわかっておりません。老若男女を問わず発症し、どのようなものが発症の因子であるか不明です。

(1)なんらかの1型にかかる因子を持っている。

(2)病気や怪我ですい臓にダメージが加えられ機能不全に陥る。

ドクターと話す患者

5)糖尿病の2つの検査法

糖尿病かどうかを調べるには血液検査を行いますが、それには2種類のものがあります。

(1)空腹時血糖値検査

検査前に10時間なにも食べない状態で、翌朝に血流を検査するという方法です。健康診断で行われるものです。

(2)ブドウ糖負荷試験

検査前に10時間絶食し、75gのブドウ糖を服用します。それから30分経ってから、1時間経ってから、2時間経ってからと3回に分けて血糖値の検査をします。

通常、健康診断では行っていませんが、一般的な医療機関で検査が可能です。

これらの検査で血糖値に異常がなければ問題なしですが、規定の血糖値やブドウ糖負荷数値を超えれば、さらに血中のインスリンの検査や検尿が行われます。

6)糖尿病への3つの治療法

2型糖尿病の治療には3つあります。

糖尿病の治療では自分の血液中のブドウ糖の量をコントロールすることが必要です。その上で他の恐ろしい合併症を引き起こさないように自己管理していきます。

(1)食事療法

まず自分の基礎代謝量を知ることから始まります。

そして摂取するカロリーを決め、バランスの良い食生活を心がけます。主治医と相談してどのようにしていくのが適切か判断しましょう。

一日3回規則正しく食事を摂ります。これによって血中のブドウ糖やインスリンの量をコントロールします。

(2)運動療法

ひとくちに運動療法といっても、個々人によってどのような運動が必要なのかは違ってきます。主治医と相談してどのように運動を行っていくのか決めましょう。

よく行われるのは有酸素運動であるウオーキングや水泳、ジョギングなどです。あくまでも無理をせずに、適切な運動量を心がけることが大事です。

(3)薬物療法

食事療法と運動療法はどちらも大事ですが、糖尿病の治療には不充分な場合があります。

そういう時は薬物療法も行います。飲み薬を使用したり、インスリンを注射したり、インスリン以外の薬品を注射したりします。

薬物療法で大事なのは自己判断で薬を飲むのを止めないことです。きちんと医師の指示通りに服用しましょう。

急に服用を止めると薬の供給の突然の停止により、薬効の反作用のようなものが起こり、低血糖症状のようなひどい副作用を起こしてしまう場合があるのです。

病院の受付

7)糖尿病の治療後の予後とは

上述したように現状では糖尿病は完治しません。一生のつきあいとなります。

それぞれの治療法によって、糖尿病の症状を抑え続けられれば治癒とみなしてもいいかもしれませんが、治療法を勝手に止めるのは大変に危険ですので、くれぐれも油断しないでください。

それに糖尿病の治療法といっても、健康的な生活を維持することにつながるのですから、決して悪いことばかりでもないでしょう。

8)糖尿病の完治に向けての大切なこと

(1)気持ちの負い目を深めない

現在のところ糖尿病には完治はありません。ですので治療をしっかり受け、健康的な生活を送りましょう。ここで大事なのは、自分が糖尿病であることで卑下や負い目を感じたりしないことです。

糖尿病の原因はいくつか考えれていますが、実際のところはそういうタイプに多い傾向があるという程度のことしかわかっていないのです。

(2)自分一人だけの問題ではなく環境にも問題がある

糖尿病になったのは自分がああだったから、こうだったらと自分を責めてはいけません。糖尿病にかかるのは自己責任では決してないのです。ましてや1型になるとほとんど天災のようなものなのです。

糖尿病は完治は不可能であるものの、ちゃんと対処可能な病です。その症状をしっかりと抑えていれば、あなたの立派な勝利なのです。

9)糖尿病への4つの予防ポイント

糖尿病は原因がわかっていません。一般的な2型も1型はもちろんさらに不明です。そのためピンポイントな予防法はないといえます。

俗に糖分を摂り過ぎると糖尿病になりやすいといわれていますが、これは俗説に過ぎません。また肥満体でなければ良いのかというとそんなことはまったくなく、痩せていても糖尿病になる人はなります。

そうなると糖尿病を予防するにはどのような病にも当てはまることにならざるを得ません。

(1)健康的な食生活

毎日適切なカロリーを摂取し、一日30品目を目標にして栄養のバランスを摂りましょう。

(2)適切な運動

決して無理することのない程度の運動を行いましょう。ウオーキングや水泳、自転車など有酸素運動などが適切です。

(3)規則正しい生活

毎日の生活のリズムを整えましょう。生活のリズムが狂うと、基礎体力が低下し糖尿病のみならずさまざまな病気を呼び寄せる結果となります。

(4)定期的に健康診断を受ける

糖尿病は前兆が自覚しにくいため、定期的な健康診断が早期発見のために有効です。



今回のまとめ

1)糖尿病には2つの種類がある。

2)糖尿病は原因不明の病である。

3)糖尿病は初期症状がわかりにくい。

4)糖尿病は血液検査で判断する。

5)糖尿病は一生完治しない。

6)適切な治療を続ければ糖尿病は抑えることができる。

7)医師の指示に従い、投薬を受ける。

糖尿病は誰もがなる可能性を持った病です。しかし対処可能な病でもあります。決して糖尿病に負けず、適切な治療を受ければその後の人生も問題なく生きていけます。