問診を受ける夫婦

健康診断で血糖値を指摘されたら、気になるのは糖尿病じゃないかということですよね。今までの如く生活や生活習慣を一気に変えようとするのはなかなか困難です。

糖尿病にならないためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。今回は糖尿病予防になる栄養素食事法についてお伝えします。






今日から摂取!糖尿病予防へ効果的な3つの食事


1)糖尿病の4つの種類とは

(1)1型糖尿病

インスリンをつくっているすい臓のβ細胞が壊れてしまうタイプです。自分の体内でインスリンをつくりだすことができなかったり、ごくわずかしかつくれないので、体の外からのインスリン補給(インスリン注射)が絶対的に必要となります。

子どもの糖尿病の多くは1型糖尿病ですが、最近では、あらゆる年齢層に起こる可能性があるとされていて、突然発症する傾向があるようです。

(2)2型糖尿病

すい臓がつくるインスリンの量が少ない場合と、インスリンの働きが悪い場合、その両方が混ざって発症するタイプです。日本人の成人の糖尿病の約95%がこのタイプにあてはまります。

自覚症状がないため、会社などの健診でみつかることが多いようです。以前は、中高年の人に発症することがほとんどでしたが、食生活をはじめとするライフスタイルの欧米化により、今では若い人や子どもにも増えています。

発症に関係する危険因子は、年齢、肥満、飲酒、喫煙、運動不足、遺伝、高血圧、ストレスなどです。高血圧や高血圧に近い血圧値を示す人は、血圧が正常な人に比べて糖尿病を合併する割合が高いことが報告されています。

脂質異常症(高脂血症)に糖尿病を合併すると、脳卒中、狭心症や心筋梗塞などが起こるリスクが高まります。

(3)特定の原因によるその他の型の糖尿病

膵β細胞機能やインスリン作用にかかわる遺伝子に異常があるもの、ほかの疾患(内分泌疾患、膵外分泌疾患、肝疾患)や、ステロイドの服用などにともなって発症するものが該当します。

(4)妊娠糖尿病

妊娠をきっかけに、血糖値が高くなるなどの糖尿病の症状があらわれるのが妊娠糖尿病です。しかし、妊娠前からすでに糖尿病と診断されている患者さんは妊娠糖尿病とは呼びません。

2)糖尿病の9つの前兆

(1)食事をしても満腹感を感じない、食べているのに痩せる。

(2)休んでいても、常に体にだるさを感じる。

(3)階段の上り下りは、下肢がだるく感じる。

(4)空腹になるといらいらする。

(5)できものができても治りにくく、化膿する。

(6)手の指がのばしにくくなる。

(7)常に喉が渇いている。

(8)足のむくみが気になる。

(9)疲れやすいと感じる。

Closeup on concerned medical doctor woman sitting in office

3)糖尿病になった時の4つの症状

(1)多尿

尿の量が多くなる症状が起こります。糖は尿に出るときに、同時に水分も一緒に出すために尿の量が多くなります。

(2)口渇・多飲

どが渇いて、水分をたくさん飲む症状が現れます。多尿のため脱水状態となり、のどが渇き、水分をたくさん飲みたくなります。

(3)体重が減る

糖が尿に出るために、体のたん白質や脂肪を利用してエネルギー源とするためです。

(4)疲れやすくなる

エネルギー不足と、体重減少により疲れを感じやすくなります。

4)糖尿病の2つの検査方法

糖尿病のシグナルは見過ごしやすいので、検査による早期発見が重要です。まずは、主に2つの血液検査を行います。

(1)空腹時血糖値検査

検査前10時間から何も食べないで、翌朝に血糖値を測ります。健康診断などで一般的に行われる検査方法です。

(2)ブドウ糖負荷試験

検査前に10時間以上絶食してから、75グラムのブドウ糖を服用し、30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。通常の健康診断では行われていませんが、一般の医療機関で検査可能です。

また、これら以外にも進行の段階により、血中のインスリンの量や尿中の糖分やタンパク質の量を測る検査を行います。

5)糖尿病と判断される3つの数値

(1)空腹時血糖値が:126mg/dl以上、

(2)ブドウ糖負荷2時間血糖値・随時血糖値:200mg/dl以上

(3)HbA1c(JDS)6.1%以上の場合

上記の3点の数値が検査されれば、糖尿病型と判断されます。糖尿病型に分類されなくても正常型より明らかに高い数値を境界型と呼びます。

Female doctor making notes

6)糖尿病の治療方法

(1)食事療法

糖尿病の方に、肥満の方が多いのは事実です。暴飲暴食は糖尿病の進行に拍車をかけてしまいます。糖分や栄養の過剰摂取は、控えるようにしましょう。

一般的には、カロリー制限をするのでが、1日の摂取カロリーを1,600Kal以内にするようにしましょう。日本糖尿病協会が出している、食品交換表を利用するように勧められます。

さらに、単に摂取カロリーを減らすだけではなく、栄養バランスを十分に考える必要があります。体に必要な栄養素がバランスよく体内にあってこそ糖尿は改善していきますので、バランスも大変重要なのです。

(2)運動療法

肥満の方は、運動不足であることも多いです。適度な運動は、糖尿病の予防や改善に必要です。なぜ運動療法が効果的かと言うと、運動はインスリンの効きを良くする、という報告もあるのです。

運動によってインスリンが活性化して、本来の働きをしやすくなります。特にインスリンが元気がないというパターンの方は、取り組んでみる価値がありそうです。

しかし、急激な運動は逆に身体にとって悪影響を及ぼします。特に、肥満の方は激しい運動によって足腰、ひざなどを傷めてしまうことが多いようですので、それほど負担のかからない運動をするようにしましょう。

最初は1回30分〜1時間程度のウォーキングを週に3回ほど行ない、慣れたら時間や回数を増やしたり、さらにジョギングへ、と少しずつ負荷をかけていきます。

自分の体調に合った方法と時間で、まずはとにかく体を動かし始めることが大切です。

とはいえ、低血糖などの症状がでる恐れがある場合は、運動療法は慎重に行なう必要があります。運動の途中で、低血糖症状が起きる場合が多いので、お医者さんの指導の下で、取り組むことが大切です。

(3)薬物療法

病院からの薬によって、血糖値を下げる必要がある場合もあります。薬は副作用があるので、あまり利用したくない、そんな方もおられるかもしれませんが、かなりの高血糖の場合、薬によって早目に血糖値を下げるのが有効な場合もあるのです。

糖尿病の方に処方される薬には、たくさんの種類がありますが、基本的には次の3つのものに分けることができます。

・α−グルコシダーゼ阻害薬

食後の血糖値の上昇を抑える、という働きがあります。食前に飲んでおくと、食べた物の分解や吸収の速度を遅らせる働きがあるため、食後の血糖値の上昇を防ぐという訳です。

体には、食べた物を分解する働きがありますが、腸の中にはこの分解を助ける酵素が存在しています。この酵素の名前が、α−グルコシダーゼと言うんです。

その分解酵素の働きを阻害するので、α−グルコシダーゼ阻害薬と呼ばれているんですね。

比較的副作用がないようですが、しかし、食べた物の吸収速度を抑えるだけで、結局は食べた物は全部吸収されていきますので、食後の血糖値の急激な上昇を抑える、その働きだけと考えることができます。

この種類の代表的な製品名は、グルコバイやベイスンと言った製品があります。

・スルフォニル尿素薬

すい臓を刺激してインスリンの分泌を高めようという意図がある薬です。インスリンをもっと一杯出して、それによって血糖値を下げようという考え方です。

しかしこの薬は、すい臓がインスリンの製造する能力がまだ残っている場合にしか、効果が得られないとされています。

いくら刺激しても、すい臓がもうインスリンを製造できないのであれば、効き目はありません。また、低血糖の副作用がありますし、必要以上にお腹が空くという副作用もあります。

ですから、食事療法をきっちり守れない場合も多く、過食の傾向に拍車をかけてしまう場合もあります。この種類の代表的な製品名は、ダイアグリコやオイグルコン、アマリールといった物です。

・インスリン抵抗性改善薬

インスリンは出ているにも関わらず、インスリンの効きが悪い、インスリン抵抗性と呼ばれますが、その場合に使用される事があります。

しかし、この薬は副作用がきつくあまり使用されることはありません。肝臓に悪い影響を与える場合がある事が報告されています。アクトスという名前の製品があります。

7)糖尿病予防にオススメの2つの栄養素

ビタミンDは体内に入ると、肝臓と腎臓で活性化され活性型ビタミンDになります。活性型ビタミンDは、すい臓のβ細胞に直接作用して、インスリンの分泌を促進する働きをしています。

また、ビタミンDはよく知られているように、カルシウムの吸収を高める役割もしています。ビタミンDが不足すると、こうした働きが低下するため、インスリンがうまく機能しなくなると推測されています。

このようにカルシウムもビタミンDも、インスリンの分泌への影響をもつ栄養素であることがわかっています。厚生労働省研究班の調査では、どちらも単独ではめだった効果は確認されませんでした。

しかし、カルシウムとビタミンDの両方を多くとることで相乗作用が生まれ、2つがうまく助け合うことが糖尿病のリスクを低下させる、と考えられています。

(1)カルシウム

成人が1日に必要とされるカルシウム所要量は、男性で650〜800mg、女性で650mgとされています(2010年版「日本人の食事摂取基準」)。

ところが私たちが実際にとっている量は、多くの世代で基準値を下回り、平均では男性で約550mg、女性で約525mg程度にとどまっています。食料事情のよい日本で、不足している数少ない栄養素の代表がカルシウムなのです。

(2)ビタミンD

ビタミンDの食事摂取基準量(目安)は、成人で男女とも1日5.5μg(マイクログラム)です。

Doctor woman near shopping cart with food.

8)糖尿病予防にオススメの3つの食事

2型糖尿病はインスリンの分泌や、作用する力が不足して起こる病気です。欧米化した食生活や食事を多くとりすぎれば、糖分の処理が追いつかなくなり、血糖値は上がりっぱなしになります。

この状態が休むことなく毎日続けば、必然的にすい臓のインスリンを分泌する力はさらに衰えてしまいます。

(1)カロリーを必要以上に取らないように注意

食事療法の基本的な考え方は、カロリー(エネルギー)を必要以上にとらないようにすることです。バランスのとれた栄養を1日の必要量のカロリーでとることで、すい臓の負担は軽くなり、すい臓の十分な能力は回復されます。

ですから、食べすぎや、インスリンをより多く必要とするメニューに気をつけた食事内容が糖尿病治療にはとても効果的なのです。まだ糖尿病でない人にとっては、糖尿病の効果的な予防法になります。

決められたカロリーの範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとる工夫が大切です。食品のカロリーや栄養素を知ることができる食品交換表は私たちの食生活に活かす目安として、とてもよいガイドになってくれます。

糖尿病のリスクを低下させる栄養素のカルシウムとビタミンDを多く含む食品を食事に取り入れることも意識していきましょう。

カルシウムは食事からとる程度なら、多めにとっても体外に排出されるので悪影響を及ぼすことはありません。しかもカルシウムは、吸収があまりよくありません。もっとも吸収率がよい牛乳で約40%。小魚類では約30%、野菜類で20%前後です。

牛乳の吸収率が高いのは、牛乳には乳糖やCPP(カゼインホスホペプチド)といった吸収を助ける成分がふくまれているからです。

カルシウムは沈殿しやすいので、牛乳パックなどから小分けにして飲むときは、一度パックを軽く振ってからコップに入れるようにします。

牛乳が苦手な方は、チーズなどの乳製品を多くとる方法もあります。牛乳にふくまれるカルシウムはコップ1杯で200mg程度。チーズは種類や製品によって差がありますが、100gで400〜1000mg程度ふくまれています。

また、豆腐などの大豆製品も、カルシウムが多く、吸収率も高めの食品です。たとえば、木綿豆腐半分で、牛乳コップ1杯分くらいのカルシウムがふくまれています。

魚類も、カルシウムを摂取しやすい食べ物です。また魚類には一般にカルシウムだけでなく、ビタミンDも多くふくまれています。その意味では、糖尿病の予防に適しているといえます。

ベニサケ(生)1切れで20μg以上、サンマ(生)1匹で15〜20μgなので、魚類を定期的に食べることでビタミンDを多くとることができます。また、キノコ類にも多く含まれています。

(1)野菜や鮭を使ったグラタン

バターの替わりにオリーブオイル、牛乳の替わりに豆乳を使うと良いと思います。

(2)魚とキノコ類でホイル焼き

ホイル焼きなら油分を使わなくてよいです。味付けで塩などを使いすぎないように注意が必要です。

(3)木綿豆腐と牛肉で肉豆腐

牛肉は油脂が少ないももスライスで、シイタケや玉ねぎや糸こんにゃくなども入れてください。塩分の摂りすぎにならないように、醤油や塩の使い方に気をつけるようにしましょう。

9)糖尿病の3つの予防ポイント

(1)規則正しい生活をする

体内リズムに合わせて規則正しい生活を送ることが糖尿病の予防・改善につながると言われています。

また、規則正しい生活を送ることによって、肝臓の糖代謝を促し、インスリンが効きにくくなるのを防ぐということもわかったそうです。

(2)緑黄色野菜を摂る

厚生労働省によると、野菜を1日に350g以上、特に緑黄色野菜を120g以上摂ることを目標としています。緑色の葉物野菜の摂取量が増えると、糖尿病のリスクを減らすことができるそうです。

緑色の葉物野菜には、抗酸化物質とマグネシウムが豊富であることによって、糖尿病のリスクを減らすのではないかと考えられているようです。

(3)適度な運動をする

運動をすることで血液中のブドウ糖を消費し、血糖値を下げることができます。適度な運動は糖尿病の予防以外にも健康に役立ちます。

今まで運動習慣がなかった人にとってはなかなか難しいと考えるかもしれませんが、まずはエスカレーターやエレベーターの利用は控えて階段を利用したり、通勤時の電車やバスはひと駅分歩くなどしたり、今までの生活の中に徐々に組み込むと運動を取り入れやすくなります。

また、継続していくことが大切なため、最初は無理のない15〜30分程度の軽い運動から始めてみましょう。血糖値の上昇は食後1時間ほどがピークなので、食後30〜60分後に運動をはじめると効果的です。






今回のまとめ

1)糖尿病の4つの種類とは

2)糖尿病の9つの前兆とは

3) 糖尿病になった時の4つの症状とは

4) 糖尿病の2つの検査方法とは

5)糖尿病と判断される3つの数値とは

6) 糖尿病の治療方法とは

7)糖尿病予防にオススメの2つの栄養素とは

8)糖尿病予防にオススメの3つの食事とは

9) 糖尿病の3つの予防ポイントとは