手のひらとハンドクリーム

手の指がなんとなくかゆい。そんな症状に悩んでいる方もおられるのではないでしょうか?単なるかゆみだからと放置してしまうと、思わぬ病気が隠れている事もあります。今回は、手の指のかゆみについて、考えられる原因や病気をご紹介します。



手の指のかゆみの原因とは?注意したい8大原因を解説


1)どんな症状が現れる?手の指のかゆみの代表的な症状とは

指がかゆいと一口で言っても、様々な症状や、併発する症状が見られます。例えば、指の内側が赤くなっていて痒かったり、見た目では何の変化も見られないにもかかわらず、ぴりぴりとしたかゆみを感じたり。かゆみの感じ方や、他の症状の現れ方によって考えられる原因も変わってきます。症状に応じた原因の可能性を見ていきましょう。

2)かゆいのはなぜ?かゆみの主な5大原因とは

(1)手湿疹(手荒れ)によるもの

手湿疹とは、一般的に「手荒れ」と呼ばれている症状を指します。洗い物や洗濯など、また飲食業などで水仕事を多くされる方によく生じるのですが、人の皮膚には毛包とよばれる皮脂が分泌される箇所があり、この皮脂が天然の保湿クリームのような役割を担う事によって肌を守っています。しかし、水仕事、特にお湯や洗剤などによって皮脂が落ちてしまうと、物理的な刺激に対して皮膚が過剰な反応を起こし、湿疹を引き起こします。

人によって症状の現れ方に大きな差があり、水仕事をしても全く問題の無い人もいれば、少し洗い物をしただけでも指が割れてしまう程症状の酷い人もいます。ハンドクリームなどの保湿系のクリームが有効ですが、それでも症状に改善が見られない場合は、手袋を着用するなどして水そのものから指を守る必要があります。

(2)しもやけ

寒い季節、特に買い物や仕事などで外出する事が多い方は、寒さによるしもやけでかゆみが生じている可能性もあります。しもやけは、凍瘡(とうそう)とも呼ばれ、手足や耳たぶ、鼻や頬などに赤い発疹や腫れが生じ、強いかゆみを伴います。冬の季節病とも呼ばれますが、寒くなると血管が収縮します。血管の内、動脈は温めると元に戻りやすいのに対し、静脈は温めてもすぐには元に戻りにくいという性質があります。

この回復の時間差によって、血液の循環が鈍り、体の先端部分(末梢)にあたる手足などに栄養が届かず、うっ血や炎症などの症状が現れます。手足を冷やさない事も重要ですが、デザインを重視したパンプスやブーツなどの窮屈な靴を長時間履き続けると、圧迫によって結構が悪くなります。また健康増進の為にジョギングなどを行う方も多く見られますが、冬場の運動では、汗をかいてそのままにしておくとかえって肌が冷えてしまい、しもやけを起こす場合があります。

(3)ストレスによるもの

体のどの部分に関しても言える事ですが、ストレスは体全体に大きな影響をもたらします。家事、仕事や育児など、日常生活で大きなストレスを感じていませんか?他に原因が見当たらないときは、ストレス性のかゆみを生じている場合があります。対症療法(たいしょうりょうほう・原因ではなく症状に対して治療を行う事)として、塗り薬などを処方してもらう事はできますが、原因となるストレスを放置してしまっていては、すぐにまた再発してしまいます。

出来るだけ前向きに、ストレスフリーな生活を心がけるようにしましょう。自分だけで対処する事が難しい場合には、カウンセリングや心療内科の受診など、医療面からの支援を受ける事も有効な解決策のひとつです。また、内臓に疲れがたまっている場合にも同様の症状が現れることがあります。食生活にも十分気を付け、冷やすものや刺激物などの負担がかかるものは避けるようにしましょう。

(4)切り傷など、けがによるもの

日常生活での切り傷など、小さなけがによってかゆみが生じる事もあります。小さなささくれやチラシなどによるもの、目に見えないようなものまで思いのほかたくさん細かな傷がある事はよくあります。小さな傷ですが、その傷口から最近などに感染して可能してしまう事もしばしばあり、嚢胞とよばれる膿の袋ができてしまう事もあります。

多くの場合、膿をしっかりと出し切る事で快方に向かいますが、青紫や赤紫に傷口付近が変色していたり、強い痛みを伴う場合には早めに病院を受診してください。また、深爪をしがちな人の場合は、爪が伸びる際に爪の横に皮膚を傷つけてしまう事もあります。爪の切りすぎにも注意したいですね。

(5)慢性湿疹・急性湿疹

急性湿疹や慢性湿疹は、はっきりとした原因が分からない事も多くあります。皮膚に何らかの刺激が加わり、水ぶくれなどができる状態を急性湿疹といい、それを繰り返す事によって皮膚が乾燥し硬くなった状態を慢性湿疹といいます。断続的に症状が続く場合には、原因を特定するためにも病院を受診する事をおすすめします。

3)試せる応急処置はあるの?かゆみへの対処方法とは

一時的なかゆみには、薬局などで市販されている軟膏(塗り薬)が有効です。体質や、症状によって様々な薬が売られている為、よく分からない場合は薬剤師への相談をおすすめします。薬剤師は、薬について様々な知識を持った専門職です。薬剤師が常駐している薬局を普段から把握しておくようにすると安心です。

また、手荒れの場合にはお湯では無く水で水仕事をすることも有効です。意外に思われるかもしれませんが、水による冷えよりもお湯によって皮脂が洗い流される事によるものの方が悪化する場合があるためです。しかし指先が冷えてしまうことにもなるため、ぬるめの水を使い、水仕事の後はしっかりと温める事が大切です。

Doctors meeting

4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

見た目に変化が無かったり、軽い赤みを伴うもの、また手荒れによる割れなどはセルフケアで症状が回復する事も多い為必要以上に心配する必要はありません。しかし、原因と考えられるものを改善しているにも関わらず症状が数週間以上に渡って続く場合や、赤紫や青紫への変色が見られる場合、見た目に傷が無いにも関わらず痛みを感じる場合などは、深刻な症状と考えるべきです。

原因がはっきりとしない場合には、迷わず医師の診察を受ける事をおすすめします。病気によっては、症状が深刻になる前に食い止めなければなりません。少しでも気になる場合は病院へ行きましょう。

5)症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

(1)掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、手や足の裏などに無菌性の嚢胞(のうほう・膿の袋)が生じる難治性の病気です。嚢胞は急に出現し、しばらくするとガサガサに乾燥するという流れを繰り返しつつ悪化していきます。原因は不明な病気で、無菌性のため他の人に感染する恐れはありませんが、治療法も確立されていません。ビタミン不足や喫煙が原因となったり、金属アレルギーなども原因として考えられていますが、はっきりと関連性が見出されているわけではなく、日ごろから予防を心がける他ありません。

(2)手白癬(てはくせん)

白癬(はくせん)とは一般的に「水虫」として知られているもので、足に生じる事が多いのですが、指や爪などに生じる事もあります。白癬菌と呼ばれる細菌が原因の為、人から人への感染も見られます。市販されている軟膏や、皮膚科で処方してもらう軟膏や抗生物質などで治療していくことになりますが、感染防止の為にも調理などの際にはゴム手袋などを着用し、直接人に触れないようにしなければなりません。

(3)皮膚がん

皮膚がんは、皮膚の表面や第二層(有棘層)で細胞ががん化する病気で、紫外線や遺伝、加齢による皮膚の老化や化学物質などによって発症するとされています。日本は紫外線が少ない地域である為患者数も少ないのですが、オゾン層の破壊などでしられるように、局地的に紫外線が強かったり、また夏に外で長時間作業をすることによって大量の紫外線を浴びてしまう場合もあります。

また火傷や放射線などによっても生じる事があり、重いやけどを負った箇所や、レントゲンや放射線治療などによる被ばくによっても稀に起こります。

※治療に際して使用される放射線は十分に安全が確保されている値であり、通常の検査などでは心配は必要ありません。

6)治まらない場合は専門家へ!手の指のかゆみへの検査・治療方法

手の指のかゆみでは、皮膚が原因である場合が多い為皮膚科を受診します。ただし、ストレスが原因の場合には心療内科を受診します。

(1)検査方法

目視による診察の他、血液検査によって細菌の有無を検査します。またスクリーニングと呼ばれる、皮膚の表面を綿棒などでこすって分泌物などを検査する場合もあります。過去の既往歴(きおうれき、過去にかかった病気の記録)なども見て、様々な視点から診断が確定されます。

(2)治療方法

ほとんどの場合で、ステロイド剤と呼ばれる軟膏や、抗生物質などで最近を殺すような治療が行われます。また原因が生活習慣にある場合には、その改善指導なども行われます。このような一般的な治療の場合には、初診料なども含めて3,000円から5,000円程度の負担で治療を受ける事ができます。皮膚がんの場合には、皮膚の表面を切除するなどの外科的治療の他に、放射線などによる治療も行われます。治療箇所が広範に及ぶ場合には太ももやお尻などから皮膚を移植する事もあります。

費用面では、皮膚がんの治療では他のがんと比較して治療費が安く済む事で知られており、病変の範囲にもよりますが、切除の場合で数千円から20,000円程度、形成手術と呼ばれる皮膚移植などを受けた場合では10万円以上と高額になる場合もあります。高額療養費制度という、一定額以上の医療費が免除(または還付)される制度もあるため、月に10万円を超えるような支出になる事はほとんどありません。(所得によって異なる為、注意が必要です)

※上記費用計算は、一般的な2割負担の場合での概算です。治療内容や回数、検査の内容などによって大きく変わる事があります。また、保険適用外の治療を受けた場合には治療費が非常に高額になる場合もありますので、医師の説明をしっかりと受ける事も大切です。

7)生活習慣を改善しよう!症状へ実践したい予防習慣とは?

皮膚のトラブルは、水仕事や紫外線など外的要因によるものがほとんどですが、日ごろから生活習慣に気を配る事である程度予防する事が可能です。睡眠をしっかりとる事で肌荒れを予防できますし、ビタミンCなどが不足すると手荒れが起こりやすくなったりする為、食生活にも気を配らなければなりません。

また、冷たいものや辛いものといった内臓を刺激するような食べ物も皮膚によくありません。昔ながらの野菜中心の食生活や、ビタミンが多く含まれる食材を多く取るように心がけると良いでしょう。そしてストレスもまた、原因不明の皮膚への症状となって現れる事があります。基本的な生活習慣はすべて関連する可能性があると言っても過言ではありません。



今回のまとめ

1)どんな症状が現れる?手の指のかゆみの代表的な症状とは

2)かゆいのはなぜ?かゆみの5大原因とは

3)試せる応急処置はあるの?かゆみへの対処方法とは

4)これって病気?病気かどうかのチェック項目と判断基準とは

5 )症状が続く場合は注意!考えられる3種類の病気とは

6)治まらない場合は専門家へ!手の指のかゆみへの検査・治療方法

7)生活習慣を改善しよう!症状へ実践したい予防習慣とは?