患者の手を握る医師

手のしびれは血管や神経の圧迫によって生じることが多いですが、それ以外にも脳血栓や脊椎の損傷、椎骨・椎間板によって神経が圧迫されることによっても生じます。

今回は手のしびれから考えられる様々な原因や病気の可能性、対処方法などをお伝えします。






手のしびれの5大原因!4つの対処法とは


1)手のしびれ方による違いや4つの種類

(1)肘部管症候群

手の小指がしびれのことを「肘部管症候群」と呼びます。利き手側に多く、肘の内側で神経が圧迫されることによって起きます。

手の小指がしびれる、肘の内側をたたくとしびれやすい、利き手に多く、男性に発症しやすいなどの特徴があります。

(2)手根管症候群

中指から親指にかけて手のひら側のしびれのことを「手根管症候群」と呼びます。

手首のところで神経が圧迫されて起きます。

手首から手のひらにかけてしびれる、中指から親指にかけてしびれる、手が冷たくなることもある、などの特徴があり、悪化すると、筋力が低下することもあります。

手首の痛みだけでなく、だるい、浮腫が出る、親指と人差し指で丸を作りにくくなるなどの症状が出る場合もあります。

朝方や寝ているときにおこりやすく、中年女性に多いとされています。

(3)腱鞘炎

手指を動かすと痛む、手指を動かすと痛い、手首の親指側が痛いなどの症状があり、親指を内側に折ると痛みが増す場合もありあす。

腱鞘炎は、同じ動作の繰り返しにより、指や手首に痛みが出たり、動かしにくい状態になります。

指の使い過ぎが原因とされ、重いものを手で持ち上げる仕事をしている、道具を強く握るスポーツ(ゴルフやつりなど)をしている、パソコンの長時間の使用する習慣がある人などが注意が必要です。

(4)手足のしびれ

糖尿病など全身の病気の可能性があります。

両側の手足の感覚がにぶい、手袋や靴下をつねにはいているような感じのしびれがある方は、早めに医師の診断を受けてください。

2)手のしびれの5大原因

(1)脳の病気

一過性脳虚血発作・脳出血・脳梗塞・くも膜下出血・脳腫瘍などがこれにあたります。

脳血管が出血したり詰まったりしてしまうと、脳細胞に血液が行き渡らなくなり、それによりダメージを受けた脳の場所によって様々な障害を引き起こします。

これが運動機能をつかさどる場所や手足に関係する場所であった場合、手足がしびれることがあります。

このような脳の病気の場合は、手足のしびれのほかに吐き気・嘔吐・頭痛・ロレツが回りにくい・体の一部が動かしにくい・めまいなどの症状もあらわれます。

脳の病気は命の危険に関わることもあるため、このような症状がないかも合わせて確認し、もしこうした症状があるようなら早急に病院で診察を受けましょう。

(2)脊髄の病気

脊髄腫瘍・脊髄損傷などがこれにあたります。

脊髄とは、脳からの指令を伝達する神経の束であり身体の中でも重要な役割を担っています。そのため、腫瘍や損傷などでこの神経を圧迫するとうまく機能しなくなり、手がしびれるといった症状があらわれます。

(3)椎骨・椎間板による神経の圧迫

変形性頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア・頸椎後縦靭帯骨化症などがこれにあたります。

人間の身体には、一般的に背骨と呼ばれている脊椎というものが存在します。この脊椎は頸椎(首)、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎という椎骨で形成され、それぞれの間には骨と骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板が存在しています。この椎間板が何らかの圧力によって飛び出し、それによって脊髄や近くを通っている神経を圧迫することで手のしびれが起こることがあります。

また、加齢に伴い椎間板が変形しそれにより神経を圧迫することでもしびれは起こります。

(3)末梢神経の圧迫

胸郭出口症候群・手根管症候群・肘部管症候群などがこれにあたります。

腕や手の動きを支配する末梢神経や、血管が通る道が狭かったり圧迫されたりすることでしびれが起こります。

このタイプの手のしびれでは、体型や職業(よくする動き)などによっても原因が異なります。例えば、なで肩や重いものを運ぶ労働者・肩の下がっている人は腕や肩周りの動きを支配する神経や血管が通る隙間(胸郭出口)が狭くなることでしびれが起こります。

手首をよく使う人や腱鞘炎・むくみなどでは手先に伸びる神経が通る隙間(手根管)を圧迫することでしびれが起こります。

またガングリオン(主に手首などの関節にできやすいゼリー状の物質がつまったコブ)や腫瘤(血液や老廃物などの塊・コブ)・加齢による骨の変形・けがなどで肘の内側の神経が通る隙間(肘部管)を圧迫することでもしびれは起こります。

(4)血流不良

肩こりや筋肉痛などで、筋肉が凝り固まり血液の流れが悪くなることでもしびれが起こるとされています。

(5)その他

甲状腺機能低下症・糖尿病などの内科疾患は、神経障害の症状として手足のしびれがあらわれることがあります。

また、自律神経障害やストレスなどでもしびれが起こることがあるとされています。

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3)手のしびれへ自分できる4つの対処法

(1)首や肩周りのストレッチ・体操・マッサージ

 肩を上下させる、首を回す、首を前後左右に曲げる、首の付け根をたたく、両肩を大きく回すなどの動作をゆっくりと行います。

しびれが出ているときにストレッチやマッサージなどを強めに行ったりすると逆効果となり、症状が強くなることがあるため、しびれのないときなどに軽めに行うようにしましょう。

(2)負担をなるべく避ける

長時間の同一姿勢を避けたり、重いものを持つのを避けたりしましょう。また、無理な姿勢や肩・腕・手首の位置は筋肉や神経に負担をかけるので避けるようにしましょう。

(3)湿布や入浴での血行促進

肩こりや筋肉痛などには、湿布などでの症状改善も有効です。これが改善されると血液の流れもよくなりしびれも解消されることがあります。また、入浴などで温めることも血流促進にいいとされています。

(4) ストレスの緩和

自律神経の乱れやストレスなどからもしびれは起こるとされています。そのため、日ごろから精神的ストレスの軽減やリラックスして過ごせる環境を心掛けると良いでしょう。

4)手のしびれが続く場合にすべき検査方法

手のしびれは原因が多岐にわたり、特に症状が複雑なときなどには、容易に原因を特定できないこともあります。早めに診察を受けるようにしましょう。

急激に症状が出てきたり、半身の異常があれば内科・脳神経外科を、緊急の脳疾患がなければ整形外科・外科・内科で診察を受けてください。

受診した病院では適切な治療ができない場合は、他の適切な治療が可能な専門医を紹介してくれるはずです。

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5)手のしびれへ未然にできる4つの予防ポイント

(1)血行の改善

ぬるめのお湯にゆっくりとつかり、お風呂上がりにマッサージをすることで、血行がよくなるだけではなく、ストレスを軽減することにもなります。

ストレッチや軽い運動なども効果があります。

(2)きつい靴下やストッキングの着用を避ける。

血行を悪くしたり神経を圧迫する原因となります。

(3)長時間同じ姿勢、動作をする方は、しっかりと休憩をとってそのときに体をほぐすようにする。

デスクワークやパソコン業務を長時間にわたり行うことで手が疲れやすくなっていたり、姿勢が悪いことによって手のしびれが起こることもあります。

休憩のときなどに固まった首や肩の筋肉をほぐしたり、ストレッチをしたりするように心がけましょう。

(4)室内の温度に気を付ける。

夏でもクーラーがきいているオフィスではカーディガンを着用したり、身体を温める食べ物を積極的に取ることによって、血行を改善していくこともできます。






今回のまとめ

1)手のしびれ方による違いや4つの種類

2)手のしびれの5大原因

3)手のしびれへ自分できる4つの対処法とは

4)手のしびれが続く場合にすべき検査方法

5)手のしびれへ未然にできる4つの予防ポイント