女性の患者を診察するナース

低血圧は、生命に関わる危険度は低いとされています。但し、低血圧は全身の動脈圧が正常値を超えて低下した状態を云い、日常生活でめまいや吐き気や頭痛に悩まされ、通常の生活を送るのに不自由を感じる場合があります。

今回は低血圧の正常・危険なそれぞれの数値とその改善方法をお伝えします。






低血圧の数値解説!8 つの改善方法とは


1)血圧の数値とは

血圧には基準となる数値があり、高血圧、低血圧、正常値と判定されます。ではそれぞれの数値とはどの様なものでしょうか。

因みに、収縮期血圧とは心臓が収縮して血液を送り出すときに血管にかかる圧力で、最大血圧のことであり、拡張期血圧とは心臓が血液を貯めこんで血液を送り出す準備をしている時に血管にかかる圧力で、最小血圧のことを指します。

(1)高血圧

一般に、収縮期血圧が 140mmHg 以上、拡張期血圧が90mmHg 以上の両方か、またどちらか一方を満たすときを高血圧と定義されます。

(2)低血圧

以前では正確な基準数値というものがなく、最高血圧が100mmHg 未満とされていました。

現在はWHO(世界保健機構)において世界共通の基準数値として、収縮期血圧が100mmHg 以下、拡張期血圧が60mmHg のものを低血圧とされています。

(3)正常値

血圧の正常の数値とされるものは、収縮期血圧が129mmHg、拡張期血圧が84mmHg 以内とされていて、上下の血圧数値がどちらを超えても正常値とはいえません。

2)低血圧の危険値・正常値

低血圧症とは、全身の動脈圧が正常値を下回った状態の時を云います。

血圧の正常値は、現在では最高血圧が129mmHg、最低血圧が84mmHg とされています。低血圧の数値は、最高血圧が100mmHg、最低血圧が60mmHg とされていますから、この数値を下回る様な時には注意を要する数値といって良いでしょう。

男女別・年齢別での正常値は下記です。

(1)20代

最低血圧が男性では75、女性では76

(2)30代

男性が79、女性では71

(3)40代

男性が84、女性では77

とされています。基準値を下回った場合は出来るだけ早めに改善の努力をすることが必要とされます。

季節によっても変化する場合がありますが、1日の内でも時間によって変化します。

一般に朝から昼にかけては症状が強く現れる傾向がみられ、逆に昼から夜にかけては症状が軽くなる傾向となりますので、午後から夜は元気になる方が多い様です。

3)低血圧の4つの種類とは

低血圧には大別して3つの種類があります。どの様な種類かを見極めることによって予防方法を知ることができます。

(1)本態性低血圧

はっきりとした原因などが分からない低血圧です。自身が気が付かない場合が多く、血圧測定をして初めて知るという事が少なくありません。

体質的なことも要因ですが、偏食をしたり、塩分を極端に制限した食生活や無理なダイエット、運動不足などが誘因なって起こるとされています。

(2)二次性低血圧

心臓など何らかの病気があったり、ホルモン分泌の機能が低下している場合、神経障害などが原因で起こります。

(3)起立性低血圧

椅子やベッドなどから急に立ち上がった時などに急激に血圧が下がる事です。頭に運ばれ

る血液量が減るために、立ちくらみなどを起こします。

(4)食後低血圧

食事をした後に急激に血圧が下がることがあります。食後低血圧は、失神や脳梗塞の引き金となることがありますので注意が必要です。

smiling senior woman and doctor meeting

4)低血圧の3つの症状

3つの症例別に症状の現れ方を挙げてみました。

(1)本態性低血圧での症状

ほとんどの人には自覚症状が無いといって良いのですが、めまいや倦怠感などを感じます。

個人差や季節によっても違いが出ますが、検査を受けても原因となる病気がなく、常に血圧が低い状態となっています。

本態性低血圧症では、約10~20%の方に低血圧に伴う血流量の低下による全身症状や各臓器症状が認められて、また自立神経症状(不定愁訴)もみられます。

(2)二次性低血圧での症状

血圧低下の原因となる病気によって症状の現れ方が異なります。心不全による心機能低下や不整脈、薬物中毒などでは急性に低血圧症状が現れます。

急性の場合はショック症状や意識障害、四肢に痺れなどの症状が起こります。慢性化すると、めまいや倦怠感など本態性低血圧症と似た様な症状が現れます。

(3)起立性低血圧症での症状

文字通り、椅子などから急に立ち上がったりした時などに急激に血圧が下がります。こういった症状は主に午前中に起き易く、めまいやふらつきなどを起します。

食後や運動後などにも起こることがあります。特に高齢者では食後に一過性の意識消失発作(失神)を起す場合がありますが、原因として、食後に血液が内臓に溜まることが、全身の血管抵抗を減少させていることとされています。

5)低血圧を放っておく4つのリスク

自身が低血圧であるのかを判らずに毎日を過ごしている方がいる一方、何らかの病気によって低血圧の状態になってしまったという方もいます。

そのまま放っておくと知らずの内に症状が進行したり、悪くすると重篤な状況に陥る恐れがあります。では放っておいた場合どの様な症状が可能性としてみられるかを挙げてみましょう。

(1)不整脈

不整脈の引き金として現れる可能性があります。

不整脈は、血液を送り出す心臓のポンプの働きが一定のリズムを刻むことが出来なくなり、心拍数も不安定な状態となり、重篤な場合突然死に繋がる怖い症状です。

(2)狭心症

時によって、胸に痛みを感じたり、圧迫される様な感覚が起こります。これは心筋梗塞の前段階で、冠動脈の働きに異常をおこして、心筋が虚血状態になってしまう恐れがあります。

(3)心筋梗塞

前述の狭心症が進行すると、動脈硬化などにより血管が狭まってしまうことが原因で、虚血状態になってしまった心筋が壊死してしまい心筋梗塞を引き起こします。

(4)糖尿病

糖尿病の持病がある場合、腎臓の機能が低下して立ちくらみなどを起こすことがあります。

進行すると動脈硬化などの症状を併発することがあります。自律神経にも障害を起こすこともあり、結果として低血圧を招く原因にもなっています。

6)低血圧の考えられる3つの原因

低血圧の原因としては、精神的なストレスや偏った食生活、過度なダイエット、運動不足、既に持病を持っている場合、遺伝や体質など様々な要因が考えられます。

(1)体質による場合

はっきりとした原因などはなく、自覚症状も感じることもない低血圧症で「本態性低血圧」と呼ばれます。遺伝的な体質も考えられ、やせ型の虚弱体質の人に多くみられます。

(2)血圧調整中枢の遅れ

急に立ち上がった時などに、立ちくらみやめまい、悪くすると失神などを起こすことがある「起立性低血圧症」は、血圧をコントロールする自立神経が正常に働かないことが原因です。

下半身など集まった血液が心臓に正常に戻りにくくなって、血液を送り出す力が弱くなる為に起こります。いわゆる血圧調整中枢の遅れによって、脳への血液不足によって眩暈や立ち眩みなどの症状を起こしていると考えられています。

健康な人でもストレスがあったり、疲労が蓄積されていたり、栄養不足などでも起こることがあります。

(3)病気が原因の場合

主な疾患として、心筋梗塞や不整脈などの心臓疾患、糖尿病、肺塞栓、甲状腺の機能低下症、ホルモンバランスの崩れなどがあり、癌などに伴う低栄養状態、怪我による出血なども低血圧を招きます。(二次性低血圧)

Doctor woman near shopping cart with food.

7)低血圧改善にオススメの4つの食材

低血圧だからといって食べてはいけない食材などは無いといって良いでしょう。

但し、健康を考えて無茶な暴飲暴食は避けなければなりません。基本はバランス良く食事を摂ることが大切です。

(1)たんぱく質

たんぱく質は低血圧の改善食材では欠かせない栄養素です。筋肉を作り体温を高める効果があります。

たんぱく質を多く含む食材として、肉類・魚介類・乳製品・豆類・卵などがあります。納豆と卵を乗せた冷ややっこも効果があるレシピのひとつです。豆乳や豆腐もおすすめです。

(2)塩分

通常健康な人が摂る塩分は1日10g未満ですが、低血圧症の人は通常の食事に2~3g程度加えると良いでしょう。

塩分は水分の吸収効率を上げる効果があり、血液の循環を良くしてくれます。低血圧の人の場合は 12g 程度を摂取目標にしましょう。

(3)ビタミンB群

体内にエネルギーを補給するのに欠かせない栄養素です。ビタミンBを多く含む食材は、レバー、緑黄色野菜などに多く含まれています。

1日の食事の内で1~2種類は摂る様にした方が良いでしょう。

(4)ミネラル・鉄分

血液を作るうえで欠かせない栄養素ですので意識的に摂ることが必要です。赤みの肉や魚介類、小松菜やひじき、以外な所で納豆などにも含まれていますので、朝食などには取り入れてみると良いでしょう。

その他、低血圧を改善する食材は以外とたくさんあります。自身でも調べて意識的に食べるようにして、レシピなども工夫する様にしましょう。但し、食事は常に腹八分目にすることを心掛けましょう。

8)日常生活からできる低血圧への4つの対処法

(1)食習慣

低血圧症で朝起きるのが辛いなどという理由で、朝食を抜く行為は絶対NGです。1日の活力となる朝食は必須条件です。

1日3食、良質なたんぱく質、ビタミン類、ミネラル・鉄分などを含む食材をバランス良く摂る様にすることが大切です。

(2)生活習慣

朝が弱く、夜眠れないというのも低血圧の特徴的なものです。出来るだけ生活が不摂生にならない様に生活のリズムを整えて、規則正しい生活習慣を心掛ける様にしましょう。

睡眠前にスマホやパソコンなどを開かないのも方法のひとつ、水分を多く摂る様にして、入浴の方法も考えることも改善に効果があります。

(3)睡眠習慣

寝不足は低血圧の大敵です。睡眠が不足するとホルモンのバランスなども崩れストレスの原因ともなり、低血圧の原因ともなります。

自分自身の睡眠時間を良く確認して、必要な睡眠時間を見つけて確保する為の生活リズムを調整することが大切です。

(4)運動習慣

低血圧症には適度な運動をすることで改善することができます。適度の運動をすることで、新陳代謝も図れ、体内を巡る血液の循環も良くなります。

運動といっても大袈裟なことをする訳ではなく、家や家の周りの掃除をしたり、ウォーキングを励行するとか、ちょっとした運動に繋がることを意識して取り入れることによって

症状がかなり改善することができるのです。






今回のまとめ

1)血圧の数値とは

2)低血圧の危険値・正常値とは

3)低血圧の4つの種類とは

4)低血圧の3つの症状とは

5)低血圧を放っておく4つのリスク

6)低血圧の考えられる3つの原因とは

7)低血圧改善にオススメの4つの食材とは

8)日常生活からできる低血圧への4つの対処法

低血圧症状は、日常生活のなかでの工夫次第でいくらでも改善することが出来ます。血圧が多少低くても症状がない場合はそのまま規則正しい生活習慣を保持できれば問題あ

りませんが、余りにも血圧が低く、症状が出る様な場合は他の病気が要因となっていることがありますので、病院で検査をすることが必要です。