女性の患者に説明をする医者

多くの人は脂質異常症と言われても、「歳だから」や「お酒の飲みすぎかな」と特別気にすることはないかもしれません。

しかし、脂質異常症は他の病気にも関わってきます。今回は脂質異常症の代表的な症状や原因、改善のための栄養素や食事のレシピなどもご紹介します。






自宅で実践!脂質異常症へ効果的な食事3選


1)脂質異常症(高脂血症)とは

脂質異常症とは正しくは「脂質代謝異常」といい、コレステロールと中性脂肪の値が適正ではない状態のことです。

血液には脂質のうち「コレステロール」「中性脂肪(トリグリセライド)」「リン脂質」「遊離脂肪酸」が含まれています。

通常この4つは一定の量が保たれていますが、これらのバランスが崩れると「動脈硬化」を引きおこして、血管にダメージを与えます。

脂質異常症になる原因は大きく分けて3つあります。

(1)続発性(二次性)高脂血症

もとになる病気(糖尿病、甲状腺機能低下症、腎機能障害など)や服用薬(ホルモン剤、ヨード系うがい薬など)が原因となって脂質異常症がおこるタイプです。

(2)家族性高コレステロール血症

病気も薬の服用もなく脂質異常症になることを、原発性高脂血症とよび遺伝によっておこるタイプをこのように呼びます。

(3)食生活や生活習慣が原因

脂質異常症を発症する人が一番多いのがこのタイプです。食べすぎやアルコールの飲みすぎそれに伴う肥満が原因です。

特に内臓脂肪が多い肥満の人は糖尿病などを併発しやすいので注意が必要です。

脂質異常症は以前、「高脂血症」という名称でした。2007年に脂質異常症の診断基準が見直され「脂質異常症」に改名されました。

現在、脂質異常症の診断基準は下記のとおりです。

・LDLコレステロール値が基準より高い状態

・HDLコレステロール値が基準より低い状態

・中性脂肪が基準値より高い状態

診察を行う医師

2)脂質異常症への効果的な栄養素4選

(1)ステロール

いか、えび、たこ、貝はコレステロールを抑えるステロールが含まれているので、常識的な範囲で摂る。

(2)食物繊維

積極的に食物繊維(水溶性)を摂りコレステロール値を下げる。

海藻類、キノコをはじめとした野菜、果物、大麦、えん麦、ライ麦、寒天など。

1日の目安は食物繊維25g~30g。野菜なら1日300gで食物繊維10gが摂れる。野菜は1日350g以上摂り、そのうち緑黄色野菜を120g摂ると理想的。

(3)大豆

脂質異常症を改善する大豆を積極的に摂る。ただし、油揚げや厚揚げは動物性油で揚げてある可能性があるので1度湯通しする。

(4)訃報は脂肪酸

不飽和脂肪酸はコレステロールの分解が促進されるので積極的に利用する。

オリーブ油、コーン油、菜種油、大豆油、ごま油、サンフラワー油、調合ぬか油など。

3)脂質異常症への効果的な3つの食事

ここでは2)で紹介した内容を踏まえ主菜メニューをご紹介いたします。このメニューに主食と副菜を加えてバランスの取れた食事をしてください。

(1)脂質異常症の改善を促す納豆となすの揚巻

総カロリー:262キロカロリー

タンパク質:16.9g

脂   質:15.2g

炭水化物:17.2g

コレステロール:2mg

塩  分:1.7g

【材料】(1人分)

納豆:1パック、なす:1個、塩:少々、長ネギ(みじん切り):10g、めんつゆ(3倍濃縮):小さじ2、水:小さじ2、酒:小さじ1、小麦粉:少々、焼きのり:1枚、油揚げ(湯通しする):1枚、青じそ:1枚

【作り方】

1)なすは5ミリ角に切って塩でもみ、水気を切る

2)ボウルに納豆と長ネギ、めんつゆ、水、酒、小麦粉を入れてよく混ぜる

3)焼きのりを広げたうえに油揚げ、青じその順にのせ2)を均一にのせてロール状に巻いてアルミホイルに包む

4)オーブントースターで5~6分こんがりと焼いて、食べやすい大きさに切る

(2)お肉のかわりに豆腐を使うロールキャベツ

総カロリー:269キロカロリー

タンパク質:20.3g

脂   質:11.3g

炭水化物:27.3g

コレステロール:12mg

塩  分:2.2g

【材料】(1人分)

木綿豆腐:1/2丁、キャベツ:2枚、ハム(薄切り):2枚、えのきだけ:50g、トマト:1個、小麦粉:少々、水:80ml(顆粒コンソメ:小さじ1/2を加えたもの)、塩:少々、こしょう:少々

【作り方】

1)木綿豆腐はペーパータオルで水切りをし、1㎝各に切る。

キャベツはゆでて水けを切り、芯はそぎ切りにする

ハムは半分に切る

えのきだけは根元を落とす

トマトはざく切りにする

2)キャベツを広げて薄く小麦粉を振り、ハム、木綿豆腐、えのきだけ、キャベツの芯をのせて包み込む

3)鍋に2)、トマト、水を入れて落し蓋をして中火で7~8分煮て、塩とこしょうで味をととのえる

(3)豚ヒレ肉のカレーパン焼き

総カロリー:302キロカロリー

タンパク質:23.9g

脂   質:14.8g

炭水化物:17.6g

コレステロール:58mg

塩  分:1.0g

【材料】

豚ヒレ肉:90g、塩:少々、こしょう:少々、小麦粉:大さじ1、水:小さじ1、カレー粉:少々、パン粉:少々、オリーブ油:大さじ1、キャベツ(せん切り):1枚、ミニトマト1個

【作り方】

(下準備)A小麦粉と水、Bカレー粉とパン粉をそれぞれ混ぜておく

1)豚ヒレ肉は3~4枚に切り、軽くたたいて厚みを均一にする

2)豚ヒレ肉に塩、こしょうを振り、Aとからめ、表面にBを振る

3)フライパンにオリーブ油を熱し2)を入れ中火で両面をこんがり焼く

4)器に盛り、キャベツとミニトマトをつけ合わせる

Doctor woman near shopping cart with food.

4)脂質異常症で避けるべき7つの食事習慣

(1)飽和脂肪酸より、魚や植物性脂肪を多く摂るようにする。

【飽和脂肪酸を含む食品】

ヘット(牛脂)、ラード、バター、乳製品、牛・豚・鶏の脂身、鶏卵

(2)1日のコレステロール値は200~300mg以下

【コレステロールの高い食品】

鶏卵、鶏・牛・豚のレバーなどの内臓肉、たらこ、イクラ、すじこ、かずのこ、うに、ししゃも、しらす、うなぎ、あなご、いか焼き、たこ、あん肝、など

(3)砂糖は1日25g~30g以内(お菓子や清涼飲料水、料理に含まれる量も含める)。

果物は1日200g程度(果糖を含むため)。

(4)アルコールは適量を飲み、休肝日を週1~2日設ける。

1日の適量はビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、ウイスキーならダブルで1杯。

また、つまみはタンパク質の多いものにし、揚げ物や肉料理を避ける。食後のラーメンやお茶漬けは禁止。食後は水分を十分に摂る。

(5)外での食事(外食・弁当など)では動物性脂の多い料理(中華料理など)を避け、主食・主菜・副菜の揃ったメニューを選び、汁物や野菜を先に食べて主食を残すようにする。

(6)朝食抜きや欠食は肥満の原因になる。たっぷりの夕食や就寝前の夜食も避ける。

また、早食いは食べすぎの元になるので、よく噛んで食べる。

(7)1日にとる油脂(脂肪)量は50~60gにする。

・肉を食べる時には脂身を落として薄めに切る

・焼く時にはフライパンより網焼きにして脂を落とす

・フライパンで焼く時はアルミホイルに包む

・電子レンジで焼くのも良い

・煮込みよりゆでるか蒸す

・煮る時はすき焼きよりしゃぶしゃぶが良い

・加工肉のベーコンやハムは切ってから熱湯をかけて脂を減らす






今回のまとめ

1)脂質異常症とはコレステロールと中性脂肪の値が適正ではない状態のこと

2)脂質異常症への効果的な栄養素はステロール、食物繊維、大豆、不飽和脂肪酸

3)脂質異常症への効果的な食事は主食、主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事

4)脂質異常症で避けるべき食事習慣はコレステロールと脂質、欠食や食べ過ぎを避ける