カルテに記入をしている医師

「心臓に水が溜まっています」と、医師が患者に告げる場合があります。しかし、本当に心臓に水が溜まるのでしょうか。どのような状態を「心臓に水が溜まる」と言うのか、何が原因で心臓に水が溜まるのか、治療法はあるのか等をご紹介します。



心臓に水が溜まる?気になる2大原因と試したい治療方法


1)心臓に水が溜まるとはなに?他の似ている症状との違いとは 

「心臓に水が溜まる」という表現は、医師が患者に対してわかりやすく説明する為の表現で、実際に水が溜まっているわけはありません。 

(1)心臓の近くにある肺に血液や液体成分が溜まる 

(2)肺の外側に血液や液体成分が溜まる 

(3)心臓と、心臓を覆っている膜の間に、液体成分が溜まる 

医師はこれらを簡潔に「心臓に水が溜まっている」という言い方で表しています。 

2)症状チェックを!心臓に水が溜まっている場合の症状とは 

息切れが酷い ・深呼吸や咳をした時に胸が痛くなる ・頻脈や動悸がある ・倦怠感がある ・血痰がでる ・皮膚や唇が青色紫色になる ・首の血管が膨張する ・ゼーゼーという喘鳴がある、などが主な症状です。 他にもたくさん症状があり、これら全部がすべての患者に現れるわけではないので、おかしいなと感じたら早めに医療機関を受診してください。 

3)なぜ症状が現れる?症状の2大原因とは

(1)心臓疾患が原因 

心筋梗塞・心臓弁膜症等の心臓疾患があると、心臓の機能が低下して血液を上手く送り出せなくなる「心不全」になります。それが原因で、心臓が大きくなったり心臓の圧力が上昇してしまい、心臓と血管で繋がれている「肺」に液体成分が溜まるようになります。また、それが徐々に進行すると、肺の外側にも液体成分が溜まるようになります。 

(2)外傷や他の疾患 

胸を強く打ったり、心臓疾患や別の疾患等が原因で、心臓と心臓を覆う膜(心膜)の間(心嚢)に嚢胞液等の液体成分が溜まります。 

※医師の指示に従って治療を行いましょう。心臓疾患が原因の場合が多いので、息切れや動悸・呼吸困難等の症状を感じたら、循環器科を受診するようにしましょう。もし、胸を強く打つ等の外傷を受けた場合でも、痛みがなくても医療機関を受診するようにしてください。 

4)病気かどうかのチェックと判断基準とは 

心臓に水が溜まる時点で、すでに心臓に何かしらの疾患が伴っているはずです。動悸・頻脈・呼吸困難・むくみ・食欲低下・体重減少等を自覚したら、まずは循環器科を受診して心臓の検査を受けるようにしてください。また、胸を強く打ち、唇や皮膚が青色や紫色になる・首の血管が膨張する等の症状が出た場合は危険です。すぐに医療機関を受診してください。

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5)症状が続く場合は注意・・可能性のある3種類の病気とは

(1)肺水腫 

肺に液体成分が蓄積する病気です。主に、うっ血性心不全が原因だと言われています。心不全になっている心臓が、肺に血液を運ぶ為に一生懸命働くと、肺の血管に圧力がかかってしまい、肺はその圧力を回避する為に血管内にある液体を肺の中へ排出します。そのせいで肺に液体成分が溜まるようになります。 

心不全以外では、重度の外傷や毒素の吸入・重度の肺炎・やけど等が原因になる場合もあります。吸い込んだ空気から酸素を取り除いて全身に送る働きをする肺は、液体成分で肺が満たされるとその働きができません。従って、息切れや心拍数の異常・呼吸困難・浮腫み・血痰・経静脈の膨張等を発症します。 

(2)胸水 

肺を包んでいる胸膜に液体成分が溜まる症状です。胸の外傷・心不全・腎不全・肺炎・膵炎等、様々な原因で発症します。息切れと胸痛の症状が多く見られますが、無症状の場合もあります。胸膜内の液体成分が増えると、痛みが消えるという症状があり、呼吸の際に肺が膨らみにくくなるので息切れを起こします。肺水腫が進行すると胸水に移行する場合があります。 

(3)心タンポナーデ 

心臓と心臓を覆う心膜の間の心嚢に心嚢液が溜まる症状です。心嚢液が心臓を覆い、押さえ込むような状態になるので急速に心臓機能が低下し、血圧低下や意識障害を起こします。胸を強く打つ等の外傷で急激に心嚢液が溜まるとショック状態になる場合がありますが、受傷直後は症状が無くても徐々に溜まっていく場合もあり、大量に溜まると死に至る可能性があるので注意が必要です。首の血管の膨張・血圧低下・頻脈・呼吸困難・胸の痛み等が現れ、悪化すると心不全になり死に至る場合もあります。心筋炎・心膜炎・胸部の外傷・急性大動脈解離・甲状腺機能低下・腎臓機能低下等が原因で発症します。 

6)専門家での検査を!症状が気になる場合へ試したい検査・治療方法 

(1)循環器科へ

動悸や息切れ等の症状が気になる場合は、循環器科を受診します。聴診・血液検査・尿検査・心電図・心臓エコー・レントゲン等の検査があり、必要に応じて24時間心電図を記録できるホルター心電図や、走ったり踏み台昇降した後の心電図を図る負荷検査等を行います。

(2)心臓カテーテルの治療も

また、更に必要にせまられる場合は、心臓カテーテルといって、太ももの血管から管を入れ、心臓の中の圧力や血液量等を調べる検査も行われます。これらを行い診断結果が出ると、それぞれの疾患に合わせた治療が始まります。 

7)生活習慣から改善を!心臓に水が溜まる症状への予防習慣 

心臓に水が溜まる症状は、心臓疾患が主な原因です。心臓に負担をかけないように、適度な運動・バランスの取れた食事等を心がけ、睡眠時間をしっかりとるようにしましょう。暴飲暴食や運動不足・睡眠不足は、心臓機能を低下させる可能性が高くなります。また、胸を強打した場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。健康診断を定期的に受けて、体調管理を行うようにしましょう。



今回のまとめ 

1)心臓に水が溜まるとはなに?他の似ている症状との違いとは 

2)症状チェックを!心臓に水が溜まっている場合の症状とは 

3)なぜ症状が現れる?症状の2大原因とは 

4)病気かどうかのチェックと判断基準とは 

5)症状が続く場合は注意・・可能性のある3種類の病気とは 

6)専門家での検査を!症状が気になる場合へ試したい検査・治療方法 

7)生活習慣から改善を!心臓に水が溜まる症状への予防習慣