ドクターの問診を受ける男性の患者

リウマチと聞くと、治らない病気、最後は寝たきりになってしまうなど悲観的な印象が強いのではないでしょうか。

実は、正しい知識と初期対応で治せる病気なのです。今回はリウマチの原因、初期症状、また予防方法などをお伝えします。



リウマチの3大原因!考えられる初期症状


1)リウマチとはどんな病気か

「リウマチ」という言葉は広い意味で「リウマチ性疾患」、狭い意味で「関節リウマチ」を指していう場合に使われます。

(1)リウマチ性疾患

関節、筋肉、骨、靭帯などの運動器に痛みとこわばりを起こす疾患で、変形性関節症、膠原病、痛風など多くある。

(2)関節リウマチ

関節の内面をおおている滑膜という膜に炎症が起こり、進行すると軟骨、骨が壊れていく病気です。

日本では60~70万人の患者がいると言われています。30代~50代で最も多く発症し、患者は主に女性で男性の役5倍います。

2)リウマチの6つの初期症状

(1)朝のこわばり

朝起きた時、なんとなく手の指が硬くて曲げにくい、手の指が腫れぼったい。足の指や四肢全体にみられることもある。特に朝に痛み、動くうちに痛みがやわらいでいくが、症状は慢性的に続きます。

(2)膝などの関節が左右対称に腫れる

手首、指の関節から始まる傾向があり、指の第二、第三関節に良く起こる。進行すると大きな関節に及び、背骨や顎を含むほぼ全身の関節がなることもある。両側の関節が対称的に腫れるのも特徴です。

(3)関節を押さえると痛む

最初は一か所の痛みでも、次第に他の関節にも広がり動いたり体重をかけると痛みます。

(4)リンパ腺が腫れる

(5)全身倦怠感・食欲不振

だるさ、疲労感が続き、食欲不振で体重が減ることもあります。

(6)発熱

炎症がひどいと微熱が出ることもあります。

3)リウマチの中期・末期の症状

(1)関節炎

長期間炎症が続くと、軟骨や骨がだんだんと壊れていき、関節が変形したまま固まる「拘縮」や、骨と骨がくっつく「強直」がみられるようになります。

すると日常生活が制限されることになり、重症になると寝たきりになることもあります。

(2)肺の炎症

血管の炎症から、肺に水が溜まり発熱、胸痛、咳などが起きる胸膜炎(肋膜炎)、動くと息切れ、呼吸が苦しいなどの間質性肺炎を起こすことがあります。

(3)血流が悪くなるため痛みがでる

(4)筋肉が不自然に引っ張られるために筋肉痛を起こす

(5)悪性関節リウマチ

重症化すると、全体の0.7~1%と低い割合ですが悪性関節リウマチになります。国が難病指定をしています。

(6)心筋炎・心膜炎

心臓に行く血管に炎症が起きるとおこります。動悸、息切れ、胸痛などの症状がでます。

(7)目の炎症

眼球を包む一番外側の強膜の炎症で結膜が充血します。ひどくなると痛みや視力障害が起きます。

(8)貧血

理由は明らかになっていないが、血液中の鉄分の低下と吸収能力の低下が起きます。鉄剤を摂取してもあまり効果はありません。

Doctor comforting patient

4)リウマチの主な3つの原因

(1)遺伝

リウマチにかかりやすい遺伝的な素質があってウイルスなどの感染がきっかけで発症すると考えられている。

病気になる素質はある程度遺伝しますが、実際に病気が遺伝する確率は非常に低いと考えられています。

(2)喫煙

発症や症状悪化に関係していることが明らかになっています。

(3)免疫異常

免疫とは「細菌やウイルスなどの外敵を排除するシステム」です。

これの異常によって自分の体の一部を外敵と錯覚して排除しようとするのですが、異物を排除して体を守る働きである「サイトカイン」という物質が異常に増えて痛みや腫れを引き起こしたり、骨や軟骨を壊します。

5)リウマチの5つの検査方法

まず、どこの病院へ行けば良いのでしょうか。「リウマチ科」「膠原病科」「内科」「整形外科」にも専門医がいる病院もあります。

日本リウマチ学会が認定する「リウマチ認定医」や日本リウマチ財団の「リウマチ登録医」というものもあるますので、調べてみると良いでしょう。

リウマチの診断基準は関節の一か所に腫れが発生していて、画像診断により炎症が原因の骨病変が確認された場合は関節リウマチと診断されます。

検査にかかる費用は保険適用で3割負担となります。診断された後の治療も保険適用の範囲内です。一般に、5,000~8,000円程かかると言われています。

(1)X線検査

乳腺撮影用の特殊フィルムを使い、骨の委縮、軟骨の消失による関節の隙間の狭さ、骨膜の破壊など初期の変化を調べます。

(2)血液検査

炎症反応やリウマチ因子、薬による機能障害の有無を調べます。

(3)関節液の検査

関節リウマチであれば、関節液が増量し白血球の数値が高くなります。

(4)尿検査

関節リウマチの治療薬による腎障害では糖やたんぱく質が出ます。

(5)合併症の検査

シューグレン症候群、アミロイドーシス、間質性肺炎、肺線維症など。

関節リウマチの検査は、問診・診断・検査を行い医師が判断します。必要に応じて数回検査を行うこともあります。

6)リウマチの3つの治療方法とは

(1)薬物療法

炎症や痛みを押さえる:非ステロイド性消炎・鎮痛薬

痛みを抑えたり関節の炎症を鎮静化させる:副腎皮質ステロイド、抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害剤

(2)手術療法

滑膜切除術:痛みの原因である腫れた滑膜を切除することで炎症を抑えます。

機能再建手術:関節が壊されてしまい痛む関節や動かせなくなった関節に対して行います。

(3)リハビリテーション

関節の運動性を改善し、社会生活が送れるようにするために行います。

運動療法:エクササイズをして抹消の血流を良くし、痛みを和らげ筋肉のこわばりをとります。

温熱療法:腫れや痛みが強い関節を温め、痛みやこわばりをとります。

Stethoscope in hands

7)リウマチの治療後の3つの予後

(1)ほぼ完治の状態へ

一般に、専門病院を受診した患者のおよそ10%は、数年のうちに症状が消えほとんど治ったと言ってよい状態になります。

(2)進行型

他の10%は進行型で、急速に症状が悪化し数年で車いすや寝たきりの「重症身障リウマチ」になってしまいます。

(3)症状を繰り返す

残りの80%は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に悪化すると考えられています。

完治までの流れとして、まず初期治療は関節破壊を予防するため抗リウマチ薬の処方をします。そして消炎鎮痛剤、局所または少量のステロイドを処方します。同時にリハビリテーションを勧めるという形で3か月以上行います。

痛みや腫れが持続し炎症反応がある場合、次の段階として抗リウマチ薬を処方します。

それでも十分な効果が得られない場合、点滴薬や皮下注射薬などの生物学的製剤による治療を行います。1つの薬を3か月試してみて効かなければ次の薬を試す、ということを続けます。

8)4つのリハビリテーション

(1)温熱療法 

ホットパックなどで温めて痛みや腫れを軽くします。

(2)リウマチ体操 

関節リウマチのために考えられた運動で、筋力をつけ関節を動かす能力を保ちます。

(3)作業療法 

関節の機能を改善し、日常生活での動作を良くできるように医療施設で関節への負担を軽くする動作を学びます。

(4)装具療法 

手首や膝のサポーターや、手指に着けるスプリントと呼ばれる装具、足底板(インソール)などを利用します。

治療後の生活では、関節の保温や負担をかけない動作を学びます。関節を保護し、体に負担がかからないことを意識しながら生活をします。

9)リウマチの6つの予防ポイント

(1)8時間以上の十分な睡眠をとる。

(2)ストレスをなくす。

(3)新鮮な野菜、いも、豆、根菜類、フルーツ、ヨーグルト、魚介類などを多く摂りましょう。

(4)リラックスした時間を過ごす。よく笑う。趣味、社交など自分が楽しめることをする。

(5)1日3回食後に歯を磨き口の中を清潔に保つ。

(6)禁煙する。家族でも吸う人がいれば止めてもらいましょう。



今回のまとめ

1)リウマチとは、女性に多く発症する病気である。

2)関節に違和感があればリウマチを疑いましょう。

3)関節の炎症から全身に炎症が広がる恐れがある。

4)リウマチの原因ははっきりとはわかっていない。

5)リウマチの検査は、専門の病院で診てもらいましょう。

6)リウマチの治療は長い時間を必要とする。

7)重症化させないためにもリハビリテーションはとても重要です。

8)健康な食事と睡眠をとり、楽しく過ごすことを考えましょう。