病院で会議を行う医者と女医

リウマチと聞くと、高齢者の病気と思ってしまいますが、実は働き盛りの30代から50代に発症することが多いようです。

今回はリウマチの早期発見のポイント、血液検査の方法、注意点、予防法などをお伝えします。






リウマチ血液検査の4つのポイントとは


1)リウマチとはどんな病気か

(1)女性に多い免疫疾患

関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、いわゆるリウマチ性疾患の中でもっとも患者数が多い疾患です。男女比は1対4と女性に多く、働き盛りの30~50歳代が発症のピークと考えられています。

(2)手足の指の関節炎

免疫の異常により関節を裏打ちしている滑膜という組織に持続的な炎症が生じる疾患で、典型的には手の指や足の指などの小さい関節に対称性に関節炎が生じますが、膝などの大きな関節が侵されることも少なくありません。

(3)関節そのものが動かなくなることも

薬物療法でしっかり炎症を抑えないと軟骨の破壊と骨にはびらんが生じ、最終的には充分に機能しない関節になり、外観上も尺側偏位、スワンネック変形、ボタン穴変形、高度外反母趾などの特徴的な形を呈します。

また痛みのある関節を動かさなくなることで関節の動く範囲が狭くなったり、ひどい時には強直といって関節がひとかたまりの骨となって動かなくなることもあります。

2)リウマチの4つの初期・中期・末期の症状

関節リウマチの自然経過にはいくつかのパターンがあると考えられており、病期が発症して短期間で多くの関節の破壊が進む患者さんもいます。

初期だけ症状があり1~2年で自然と寛解にいたる患者さんもいますが、多くは症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に関節破壊が進行していきます。

しかし最近の治療薬や治療法の進歩により、早期に診断して治療を開始できれば、多くの患者さんが病期の進行を最小限に食い止められるようになってきています。

(1)関節の痛みや腫れ

関節リウマチの主な症状は、関節の痛みや腫れです。また、左手の関節が腫れたら右手の関節も腫れた、というように、左右の関節に症状があらわれるのが特徴的です。

関節の症状が進むと、関節の中の滑膜という部分が増えて腫れあがり、やがて軟骨や骨をこわしていきます。適切な治療をしないまま破壊が進むと、関節の形が変わって動かなくなり、日常生活にも支障をきたすようになります。

(2)だるい・疲れやすい

だるい・疲れやすいといった全身の症状がみられることがあります。

(3)朝のこわばり

朝のこわばりも特徴的で、起床後手を動かしにくく、衣服の着脱などの朝の身支度が困難になるなど生活に支障を来します。

(4)リウマチ結節など

関節症状以外にもリウマチ結節という皮下結節ができたり、血管の炎症に由来する多彩な症状が出たりすることもあります。

3)リウマチの主な3つの原因

(1)遺伝

関節リウマチの発病には遺伝が関係することも分かっていますが、家族に関節リウマチの方がいるからといって、必ずしも発病するわけではないようです。

(2)細菌やウイルスの感染

人のからだには、細菌やウイルスなどの外敵からからだを守るしくみ(免疫)があります。このしくみが異常を起こし、関節を守る組織や骨、軟骨を外敵とみなして攻撃し、壊してしまうのがリウマチです。

(3)過労やストレス

関節リウマチの症状が悪くなる誘因として過労や精神的ストレスがあります。ストレスや過労はできるだけさけるようにしましょう。

※「原因」について更にお知りになりたい方は→『リウマチの遺伝の可能性!7割は環境要因』もチェックしてみてください。

Doctor shaking hands to patient

4)リウマチの5つの検査方法

関節リウマチの初期には、関節の痛みや炎症、軽い貧血、血液の異常などが起こりますが、これらの症状は他の病気でもみられるため、発病したばかりの時期に診断を行うのは難しい病気です。

診断のために様々な検査を行います。一回の検査では診断がくだせず経過を見ながら何回か検査を繰り返す場合もあります。検査結果と問診の情報からほかの病気と識別し診断をします。

関節リウマチと診断されると状態にあわせ治療方針をたてますが、診断後も経過をみて薬や治療法を変えていくことが必要であり、また薬の副作用や合併症の観察も必要なため定期的な検査が必要となります。

(1)X線検査

乳腺撮影用の特殊なフィルムを使うことで初期の変化をつかまえることが可能になり、骨の萎縮、骨びらん、軟骨の消失により関節の隙間が狭くなっているケースも。

骨膜の破壊などの微細な変化を捉えることができるようになっています。

(2)血液検査

炎症反応をみます。免疫学的検査(リウマチ因子をもっているか)や生化学的検査を行うことで、貧血や薬の副作用を調べます。

(3)関節液の検査

関節リウマチの場合には、関節液が増量し白血球の数値が著しく増えたり、関節液の粘り気は低下、不透明になるケースがあります。

(4)尿検査

全身性エリテマトーデスで腎障害を伴う場合たんぱくが検出をします。通風の場合はたんぱくと尿酸結晶が検出されます。関節リウマチの治療薬による腎障害では糖やたんぱくが検出されます。

(5)合併症の検査

シェーグレン症候群、アミロイドーシス、間質性肺炎・肺繊維症など合併症がないかの検査を行います。

5)リウマチの4つの血液検査

(1)炎症反応をみる

赤沈:体内に炎症があると赤血球が沈む速度(赤沈、血沈)が速くなる。

C反応たんぱく(CRP):体内に炎症が起こると血液中にCRPという特殊なたんぱくが現れる。

(2)免疫学的検査

リウマチ因子:自己抗体であるリウマチ因子をもっているか(健康な人が持っている場合もある)。

抗核抗体:細胞の核に対してできる自己抗体のこと。自己免疫疾患があると陽性に。全身性エリテマトーデスで80%、関節リウマチで20%が陽性。

免疫複合体:自己免疫疾患があると免疫複合体がみられる。関節リウマチの場合は関節液にみつかることが多い。

補体:全身性エリテマトーデスでは血液中の補体が低下。関節リウマチではあまり変化しない。

(3)生化学的検査

血清たんぱく分画:血清中にはアルブミンとグロブリンというたんぱく質があり、グロブリンはα1、α2、β、γの4種類がある。関節リウマチではα2とγが増加、炎症が慢性で活発な場合はγが増加。

GOP、GPT:薬の副作用での肝機能障害がないか。

血清クレアチニン:薬の副作用が腎機能に出ていないか。

(4)貧血や薬の副作用を調べる

末梢血:白血球数が少ない場合は全身性エリテマトーデスか薬の副作用が考えられる。赤血球とヘモグロビンが少ない場合は貧血、薬の副作用による胃潰瘍などが考えられる。

血小板はリウマチの活動性が高いと増加、減っていると薬の副作用が考えられる。

6)血液検査を行う上での2つの注意点

(1)リウマチ因子(RF)検査

注意しなくてはいけないのは、リウマチ因子の定性は関節リウマチを診断する上では、あくまでも参考程度の数値でしかないということです。

もちろん、重要な検査ではないというわけではありません。関節リウマチの診断をする上での1つの指標でしかないという意味で、関節リウマチを特定する因子ではないということです。

(2)CRP検査・赤血球沈降速度

関節リウマチであるかもしれないという場合には、その可能性を検討する上で、リウマチ因子(RF)検査の他にも、CRP検査(C反応性蛋白)や赤血球沈降速度(赤沈)が見られるかどうかなど、きちんと医師の指示に従って様々な検査を受けるようにして下さい。

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7)リウマチの2つの治療方法

(1)薬物療法

関節リウマチ治療の基本は薬物療法です。かつては抗炎症剤(ステロイド剤、非ステロイド剤)と金製剤が治療の中心でしたが、1990年代に入ってからこれまでの20年間で多くの新しい抗リウマチ薬やさまざまな治療法が開発されました。

特に1999年にリウマトレックスが関節リウマチに使えるようになり、2003年から生物学的製剤の国内発売が順次開始されたことで、関節リウマチの薬物治療は急速に発展しています。

現在ではレミケード、エンブレル、アクテムラ、ヒュミラ、オレンシア、シンポニー、シムジアの7種類の生物学的製剤が使用可能です。

(2)手術療法

関節リウマチの治療でも、特に病期の進んだ患者さんに対する治療として手術療法は大変重要です。破壊され変形の進んだ関節は、薬で修復することはできません。

破壊や変形によりはたらきが悪くなり、日常生活に不自由をきたした関節に対し、手術療法は関節のはたらきをある程度回復させたり、痛みを取り除いたりすることができます。

おもな手術療法には、滑膜切除術・人工関節置換術・関節形成術・関節固定術・腱形成術や頚椎手術があります。

8)リウマチの治療後の2つの予後

これまでは、リウマチの患者さんの日常労作の面からみると、発症10年では5%が臥床患者、80%が何らかの障害を有し、15%が健常人同様の生活を営んでいるとされてきました。

しかし、昨今の新しい治療法の出現により、リウマチの患者さんの身体機能と生命予後の改善にはめざましいものがあります。

(1)寛解導入率の向上

リウマチの治療によって、関節痛などの症状が消失し、検査データも正常化した状態を寛解と呼びます。これまでの治療では、寛解にまで到達できるのはごく一部の症例でした。

しかし、リウマチを早期から診断し、積極的に抗リウマチ薬を使用していく治療法の導入によって、寛解導入率が上がりました。

特にメトトレキサート(リウマトレックスR、メトレートR、メトトレサートR)と生物学的製剤の積極的な使用によって、最近では約半数近い症例で寛解が得られるようになりつつあります。

しかもメトトレキサートと生物学的製剤の組み合わせによって、関節破壊の進行防止が可能となってきました。

また、リウマチを発症1年以内の早期から積極的に治療すると、開始していた生物学的製剤を中止できることも明らかになりつつあります。

(2)合併症の頻度の減少

最近ではリウマチ肺やアミロイドーシスなどのようなリウマチの合併症の頻度が減ってきました。

リウマチの生命予後をみてみると、これまでは一般人口よりは死亡率はやや高く、死亡年齢も10歳前後若いとされてきました。

しかし、メトトレキサートや生物学的製剤の使用は生命予後を改善することが明らかとなっています。関節リウマチとうまく「おつきあい」をすることは必要です。無視することはできません。

しかし、今では多くの患者さんが仕事や家事に復帰しています。結婚や出産も相手の理解と主治医の協力で十分に可能です。

あきらめずに前向きに病気と「おつきあい」をすることで、症状も生活も大きく変わるのです。間違った民間療法に惑わされずに、主治医と相談しながら根気よく治療を続けてください。

9)リウマチの6つの予防ポイント

(1)十分な睡眠をとりましょう

質の良い睡眠をしっかりととるようにしましょう。

(2)ストレスをなくすようにしましょう

特に、家族、人間関係、仕事のストレス、働きすぎ、頑張りすぎなどがリウマチを発症、悪化させます。思いあたることはありませんか?

(3)おいしいものを食べるようにしましょう

特に新鮮な野菜、いも、豆などの根菜類、フルーツ、ヨーグルトや魚介類などを十分とること。食べ物にはお金をかけるように。

(4)よく笑うように生活を楽しみましょう

カラオケ、ダンス、運動、好きな趣味、友達との社交などリラックスできることなら何でも。

(5)口腔内を清潔にしましょう

腸内細菌がリウマチの発症原因になっている説も有力なので、1日3回の食後は歯を磨き、口腔内を清潔に保ちましょう。

同じ理由で、胃のピロリ菌の検査をしていない方は検査をしてみてください。陽性の場合、必ず除菌しましょう。

(6)喫煙はリウマチの発症率を上げるのでやめましょう

家族で吸う人がいれば止めてもらいましょう。






今回のまとめ

1)リウマチとはどんな病気か

2)リウマチの4つの初期・中期・末期の症状とは

3) リウマチの主な3つの原因とは

4) リウマチの5つの検査方法とは

5)リウマチの4つの血液検査とは(最重要テーマ)

6)血液検査を行う上での2つの注意点とは(最重要テーマ)

7)リウマチの2つの治療方法とは

8) リウマチの治療後の2つの予後とは

9)リウマチの6つの予防ポイントとは