診察を行う医者

リュウマチと糖尿病には、関連があります。リュウマチの治療薬で糖尿病になったり、糖尿病の人がリュウマチの治療によって、糖尿病が悪化したりする場合があります。

今回は、リュウマチの初期・中期・末期の症状検査についてお伝えします。



リュウマチの3つの検査法&5種類の治療法


1)リュウマチとはどんな病気か

(1)リウマチとリュウマチ

リュウマチは英語では、rheumatoido arthritis (RA)です。

以前は慢性関節リュウマチについて、「リュウマチ」「リウマチ」「ロイマチ」といろいろな表記がありましたが、現在は「関節リウマチ」という表記で統一されています。

この記事では、「リュウマチ」を「関節リウマチ(RA)」と同じ扱いで書いていきます。

(2)関節リウマチとは

関節リュウマチとは、免疫のシステムの異常により自分の身体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。30歳~50歳代に発症することが多く、女性のほうが男性よりも3~4倍多い病気です。

2)リュウマチの7つの初期・中期・末期の症状

(1)リュウマチの初期の症状

リュウマチの初期には、朝方の指の動きにくさやこわばりを感じます。起きぬけは、なんとなくだるい(倦怠感)・熱っぽい(微熱)という症状もあります。

初期の頃は、手や指のこわばりによる動きにくい時間は少なく、活動するうちに動くようになってきます。

(2)リュウマチの中期の症状

リュウマチが進行してくると、関節の痛み・貧血・血管の炎症・皮下結節などの症状がでてきます。関節の痛みは3つのタイプがあります。

自発痛:安静にしていても痛む

圧痛:指や手の関節を押すと痛む

運動痛:動かす時に痛む

貧血や血管の炎症では痛みは感じませんが、倦怠感は助長されます。血管の炎症では、心臓・肺・皮膚など、全身の臓器への酸素や栄養の供給不足のため、障害がおこります。

皮下結節とは、身体の外側から圧迫を受けやすい部分にできるしこりのようなコブのことです。皮下結節は、肘や膝の大きな関節の外側や後頭部などにでき、痛みはありません。

(3)リュウマチの末期の症状

リュウマチが更に進行すると、朝のこわばりは痛みを伴うようになり、動きにくい時間も長くなってきます。

関節の変形は進み、関節を動かせる範囲が狭くなるので、日常生活に支障が出るようになります。

3)リュウマチの主な4つの原因

(1)遺伝的影響

リュウマチは明らかな遺伝病ではありませんが、血縁者にリュウマチの人がいる場合には、いない場合に比べて30%程度発症しやすい事が分かっています。

(2)細菌やウイルスによる感染

細菌やウイルス感染が治った後に、リュウマチが発症する場合があります。

(3)出産

出産をきっかけにリュウマチが発症する場合があります。

(4)喫煙

喫煙によって、リュウマチの発症する確率が高まる場合があります。

wichtige notizen von oberärztin

4)リュウマチの4つの検査方法

(1)血液検査

CRP

CRPは、風邪・肺炎・盲腸(虫垂炎)など様々な感染の状態をみる、一般的な検査項目です。正常値は0.3mg/dl以下ですが、2mg/dl以上の時にはリュウマチの活動性が高いと言えます。

赤血球沈降速度(赤沈)

血液の中の赤血球が、1時間にどのくらい沈むかを調べる検査です。以前は、感染などの炎症の度合いを見るために頻繁に行われた検査ですが、最近はリュウマチなどの自己免疫疾患の場合に行われます。

血清リウマトイド因子

関節リュウマチでも、20%程度の人は陰性となる場合があります。

抗CCP抗体

自己免疫疾患の中でも、早期の関節リュウマチで見られるので診断に有効です。

(2)レントゲン検査

手や肘・膝の骨の状態を、画像として見ていきます。

(3)MRI検査

レントゲンと同じように、関節の状態を画像として見ます。骨以外の関節の組織も映るので、診断や状態をチェックするために有効です。

(4)関節液の検査

関節の中には関節腔という隙間があり、そこに関節液が入っています。関節に針を刺して、関節液を取り出して検査します。

リュウマチは内科でも診断・治療ができますが、関節液の検査は整形外科で行います。

5)リュウマチの検査でチェックする3つのこと

(1)血液検査で分かること

CRP・赤沈・リウマトイド因子でリュウマチの進行状態を見ると伴に、貧血や心臓・肺などの状態を見ることもできます。

(2)画像検査でわかること

レントゲンやMRIで、関節の変形や関節腔の状態が分かります。

(3)関節液でわかること

正常の場合は黄色で透明ですが、リュウマチの場合には白く濁ったり白血球の増加が見られたりします。

6)リュウマチの5つの治療方法

(1)飲み薬による治療

抗リュウマチ薬でリュウマチの進行を抑えます。非ステロイド性抗炎症剤・ステロイド剤により炎症や痛みを抑えます。

(2)注射薬

レミケード・エンブレル・ヒュミラといった、生物学的製剤を注射や点滴する治療法です。オレンシア・シンポニ―・シムジアといった新薬も開発されています。

(3)生活上での治療

関節に負担をかけないように温めたり動き方に注意したりするなど、日常生活の工夫をしていきます。

(4)リハビリテ―ション

痛みのために身体を動かさないでいると、関節の動きの悪さを助長したり体力が低下したりします。それを防ぐために、理学療法士の指導を受けながら適切な運動(リュウマチ体操など)を行います。

(5)手術

関節の変形が強かったり、痛みが激しかったりして日常生活に困難が伴う場合には、手術を行います。リュウマチの診断・治療は、リュウマチ専門の整形外科やリュウマチ内科・膠原病内科などで行います。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

7)リュウマチの改善に必要な8つの栄養素

(1)ビタミンA

(2)ビタミンE

(3)ビタミンC

(4)ビタミンD

(5)β‐カロテン

(6)カルシウム

(7)DHA

(8)EPA

リュウマチでは全身の炎症症状のために、ビタミンやミネラルが消費されるので、たくさん摂る必要があります。炎症による身体のサビを防ぐために、抗酸化作用のあるビタミンA・E・Cやβ‐カロテンは重要です。

骨を作るカルシウムやビタミンDも大切です。油脂類は控えるほうがよいのですが、必須脂肪酸のDHAやEPAは炎症や動脈硬化を防ぐので、積極的に摂ります。

8)上記の栄養素が含まれるリュウマチに効果的な食事3選

(1)ビタミン・ミネラルが豊富な食材

新鮮な果物や野菜、アーモンドなどのナッツ類にはビタミンC・Eが豊富です。β‐カロテンの2倍の抗酸化作用がある、リコピンが含まれている食材はトマトです。

トマトのリコピンは加熱しても壊れないので、サラダだけでなくトマト煮などの料理でも大丈夫です。

(2)DHA・EPAが豊富な食材

青魚(イワシ・まぐろ・サバ)や甲殻類(カニ・えび・イカ)には、DHAやEPAが豊富に含まれます。

(3)リュウマチに効果的なメニュー

サバのトマトソース煮:サバ・オリーブオイル・にんにく・トマト・玉ねぎ・ニンジン・パプリカ

ブロッコリーとイワシの煮物:イワシ・ブロッコリー・生姜

パエリア(地中海料理の定番):イカ・えび・あさり・玉ねぎ・にんにく・パプリカ・トマト・オリーブオイル・米

9)リュウマチの5つの予防ポイント

(1)睡眠と休養

睡眠不足は、免疫機能を低下させてウイルスや細菌の感染を長引かせてしまいます。その結果、自己免疫機能が過剰に働きリュウマチを起こし易くします。

(2)ストレスの軽減

ストレスで身体の緊張状態が続くと、自律神経の失調を招き自己免疫機能の乱れにつながります。

(3)適切な食事

新鮮な魚介類や野菜を美味しく食べて、身体の抵抗力を強めると伴に、炎症による身体の酸化を防ぎましょう。

(4)感染を避ける

糖尿病などで、風邪をひき易くなったり長引いたりすると、リュウマチの発症リスクが高くなってしまいます。

うがいや手洗いなどをこまめに行い、感染から身体を守りましょう。

(5)禁煙

タバコは骨の破壊を助長してしまいます。禁煙しなければ、診察お断りというリュウマチ専門医もいるほどです。



今回のまとめ

1)リュウマチとは、免疫のシステムの異常による「自己免疫疾患」です。

2)リュウマチの初期・中期・末期の症状は、手や指のこわばり・倦怠感・微熱・関節痛・貧血・血管の炎症・皮下結節です。

3)リュウマチの主な原因は、遺伝的影響・感染・出産・喫煙です。

4)リュウマチの検査方法は、血液検査・レントゲンやMRIの画像検査・関節液の検査です。

5)リュウマチの検査でチェックすることは、リュウマチの進行状態や関節の状態です。

6)リュウマチの治療方法は、内服薬・注射薬・生活上の注意・リハビリ・手術です。

7)リュウマチの改善に必要な栄養素は、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸などです。

8)上記の栄養素が含まれるリュウマチに効果的な食事は、トマトや緑黄色野菜・青魚や甲殻類を使った料理です。

9)リュウマチの予防ポイントは、睡眠・ストレス軽減・適切な食事・感染を避ける・禁煙です。