野菜とフルーツを背にするナース

接待や付き合いで増える飲酒、痛風になると相当痛いらしいけど大丈夫だろうか。痛風の原因と言われる「プリン体」の指標となるのは、プリン体の最終代謝産物である「尿酸」の値、尿酸値です。

今回は尿酸値の高い食べ物、低い食べ物をご紹介します。






尿酸値が高い食べ物4選!下げる食べ物3選


1)尿酸値の適性数値とは 

(1)そもそも尿酸値とは

「肝臓での合成や食事から得られたプリン体が排出される際の老廃物」です。プリン体は体内から尿酸として尿とともに一定量排出されます。体液中では尿酸塩として存在しています。

(2)尿酸値の適正

正常な血液中の濃度、尿酸の基準値は男女ともにおよそ「4.0~7.0㎎/dL」で、7.0㎎/dLを超えると「高尿酸血症」と診断され、血液に溶け切らなかった尿酸が結晶として析出しやすい状態(過飽和)になります。

2)尿酸値が高い場合の3つのリスク

(1)痛風発作(急性関節炎)

高尿酸血症患者のうち10%の人が痛風を発症すると言われています。「体の中にたまった尿酸が血症となり、突然足の親指のつけ根や膝の関節等に激しい痛みが現れる症状」です。

尿酸値の値7.0㎎/dL以上が長年続くと発症する可能性が高くなります。1~2週間で治まるのが普通ですが、再発を繰り返します。

しだいに腫れが足首や膝の関節まで及び、発作の間隔も短くなってきます。中高年の男性に多い病気です。

(2)腎・尿道結石

高尿酸血症が続き、「尿酸をはじめとする関連物質が尿路に析出、結石をつくること」です。

腎臓や膀胱内に結石ができてもほとんど症状はありませんが、尿管に結石が詰まると、側腹部から下腹部にかけて激しい痛みが起こります。痛風患者の10~30%で尿道結石が確認されるとも言われます。

(3)腎障害

血液のろ過機能が低下し、老廃物の排泄や水分調節ができなくなる、といった症状が起こります。

尿酸値の上昇を放置した場合、3年経過するごとにおおよそ5人に1人の割合で、何らかの腎臓障害を発症すると言われています。

その他、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満症といった生活習慣病が合併することが多く、虚血性心疾患や脳血管障害の発生率を高めているとも考えられています。

3)尿酸値が高い場合の症状とは 

「尿酸値が高い」というだけでは、自覚症状や見た目に変化は現れません。昔は痛風を発症して初めて気付く、ということがほとんどでしたが、今は検査により尿酸値を判定することができます。

したがって、痛風の恐れがあると診断された場合は、自覚症状がなかったとしても改善を試みましょう。

4)尿酸値の高い人に共通する4つの生活習慣

尿酸値血症の発症には遺伝的要因が関係している場合もありますが、その他以下のような環境要因が尿酸値上昇に大きく影響します。

(1)肥満

食べ過ぎている場合はプリン体を多く摂取している場合が多いと考えられ、さらに肥満は尿酸の尿への排出を悪化させます。

(2)プリン体を多く含む食品の過剰摂取

プリン体とは、「プリン環という構造を持っている物質」のことです。肝臓や腎臓などの動物の内臓やその他肉類(獣、鳥、魚)、肉加工品、豆類〈大豆、あずき〉とその加工品にも比較的多くのプリン体が含まれます。

(3)多量の飲酒

肝臓での尿酸の合成を高め、また飲酒は「痛風発作」を誘発することがあります。

(4)激しい運動

筋肉をよく使い全身の新陳代謝を高めるので、尿酸が多く産出されます。プロスポーツ選手やその他激しい運動をする人は運動量が多く、また肉類をよく食べる人が多いことから、高尿酸血症の人が多いと言われます。

問診を行うドクター

5)尿酸値が高くなる食べ物4選

尿酸値上昇の元となるプリン体が多く含まれる食品についてご紹介します。プリン体の1日の摂取上限は400㎎と言われています。以下、プリン体が多く含まれる食品です。

(1)煮汁、だし汁

煮干し、かつおぶし、干ししいたけ、鶏ガラといった食材はプリン体含量上位に入ります。煮汁やめん類のスープは飲まないようにしましょう。

(2)肉類

相対的に肉類、さらにその中でもレバーや心臓といった内臓系にプリン体が多く含まれます。

(3)貝・軟体類、甲殻類

エビ(クルマエビ、シバエビなど)、イカ(スルメイカ、ヤリイカなど)、カニ(タラバガニ、ズワイガニなど)、タコ、カキといった、軟体類や貝類、甲殻類にも多くのプリン体が含まれています。

(4)魚類

白身魚より、青魚や赤みの魚に特に多く含まれる傾向があります。内臓にも多く、頭や内臓を丸ごと食べる干物や小魚、また白子にも注意が必要です。

100gあたりのプリン体含量(㎎/100g)で、ビールがだいたい3.3~6.9㎎/100gという数値なのに対し、煮干しには746.1㎎/100gが含まれています。

ご紹介した上位4品目には100㎎/100g以上のものが多く含まれています。痛風と言うとついお酒を意識してしまいますが、どのような食品を選ぶかがとても重要です。

豆類(大豆、あずき)とその加工品などもプリン体を多く含む食品の1つです。

6)尿酸値を下げる食べ物3選

尿酸値は、尿のバランスが中性~アルカリ性に傾くと溶けやすく、排出されやすくなると言われます。以下は尿をアルカリ性に傾ける食品です。

(1)海藻類

わかめ、ひじき、昆布など

(2)野菜類

ほうれん草、ゴボウ、ニンジン、キャベツ、アスパラ、かぶ、なすなど

(3)イモ類

里芋、さつまいも、じゃがいもなど

※ほうれん草には尿道結石の原因となるシュウ酸が含まれます。過剰摂取をしなければ問題はありませんが、茹でてあく抜きし、水にさらしてから食べるようにしましょう。

7)日常生活からできる尿酸値改善の4つのポイント

(1)肥満の予防

過剰なカロリー摂取を避け、バランスのよい食事を心がけましょう。ただし、断食や急激な減量は痛風発作を誘発することがあるので注意が必要です。

(2)プリン体を多く含む食品をとり過ぎない

含量の多い食品についてはすでに述べました。摂取量は400㎎/日未満が目安です。

(3)水分を多めにとりましょう

尿酸は尿とともに排出されるので、尿量が増えるよう、また排出された尿酸が尿中で結石になるのを防ぐためにも、尿量を増やすことが大切です。目安としては1日2リットル以上です。

(4)飲酒制限

無理に禁酒する必要はありませんが、減らしていく努力が大切です。飲酒の目安としては、1日に日本酒なら1合、ビールはら1本、ウィスキーダブルなら1杯程度です。

週2日以上の禁酒日をつくりましょう。






今回のまとめ

1)尿酸の上昇により、痛風や腎・尿道結石などの疾患のリスクが高まる。

2)尿酸の上昇自体は自覚症状がほとんどない。

3)肥満やプリン体の過剰摂取、多量の飲酒、激しい運動は尿酸が高くなる原因となる。

4)煮汁やだし汁は飲まないようにし、肉類(特に内臓系)、魚類などプリン体が多く含まれる食品には注意する。

5)尿をアルカリ性に傾ける、海藻類、野菜類、イモ類を積極的に取り入れる。

6)水分を多めにとるようにし、食事のバランス、飲酒制限に努める。

気になるようで気にしなかった尿酸値。食べ物や生活習慣など、できるところから対策を取り入れていきましょう。