医師の持つタブレットを指差す患者

尿路結石が生成しても自覚症状がない場合が大半ですが、自覚症状がある場合にはかなりの激痛を感じます。

他の病気や薬剤の摂取が原因となることもありますが、食生活の改善と適切な水分摂取、運動習慣をつけることで、かなり予防できる病気でもあります。



尿路結石の予防法3選!食事と生活習慣とは


1)結石の3つの種類とその違い

(1)尿酸結石

尿酸を主な成分とする結石になります。

尿酸の値が高いと発生しやすく、結石の8~10%が尿酸結石とされています。薬により尿をアルカリ性にすることで溶かすことも可能です。

(2)シスチン結石

 シスチンを主な成分とする結石になります。

 病気などにより肝臓からアミノ酸の一種のシスチンが出ることで結晶化、結石となります。シスチン結石は薬により尿をアルカリ性にすることで溶かすことも可能です。 

(3)リン酸アンモニウム・マグネシウム結石

主に尿路への細菌感染が原因となって発生します。 感染した細菌によりアンモニアが発生し、結石化します。女性に多く発生しやすいといわれています。

2)尿路結石の代表的な症状

腎杯、腎盂、尿管、膀胱、尿道などをまとめて尿路といいます。尿の通り道であるこの尿路にできた結石のことを、尿路結石と呼びます。 

(1)自覚症状がないケースも

結石が形成されても、結石がごく小さなものであれば自覚症状がまったくない場合もあります。

(2)下腹部痛

膀胱に結石が存在する場合には、下腹部痛が生じることがあります。

尿管や腎盂など尿が流れる管が結石でふさがれると、背部痛や腎仙痛(間欠的で激しい痛みが通常はわき腹、腰部、下腹部にかけて生じ、しばしば腹部から陰部や太ももの内側に広がっていく痛み)が生じます。

(3)強弱を繰り返す痛み

腎仙痛は波のように強弱を繰り返すような傾向があり、20~60分間をかけてピークに達するまで徐々に強くなったあと、消失します。

この痛みは、下腹部から鼠径部、精巣、外陰部などに放散する場合があります。

(4)吐き気や発汗・頻尿の症状も

この他にも、吐き気や嘔吐、気分が落ちつかない、発汗、血尿などの症状もみられます。頻尿傾向となる場合もあり、特に結石が尿管を通過するとき、その傾向が顕著となります。

悪寒、発熱、腹部が膨らむ、などの症状がみられることがあります。

患者の問診を行うドクター

3)尿路結石の4大原因

(1)尿路の通過障害

尿路に何らかの通過障害がある場合に、結石ができやすくなる傾向があります。

先天的に腎盂と尿管の移行部が狭い腎盂尿管移行部狭窄、腎盂・尿管がん、尿管結石によりその部位の尿管に狭窄が生じた場合、長期臥床による尿流停滞、馬蹄鉄腎、海綿腎、尿管瘤、前立腺肥大症などが原因としてあげられます。

(2)尿路感染

尿路感染も、結石を形成させる原因となります。

尿素分解菌によって尿素が分解されることによってアンモニアが生成されて尿がアルカリ化、リン酸マグネシウムアンモニウム結石などの感染結石が形成されます。

通常は結石形成抑制のために尿をアルカリ化しますが、アルカリ化しすぎても結石は形成されてしまいます。 

(3)水分・カルシウムの不足

日常的に摂取する水分やカルシウムが不足すると、結石ができやすくなります。

(4)病気と薬剤

原発性副甲状腺機能亢進症は、血中カルシウム濃度をあげる症状があります。血中カルシウム濃度があがると、結石ができやすくなります。

ステロイドホルモンは骨吸収を増加させ骨形成を抑制する働きがありますが、これにより血中にカルシウムとリンを遊出、結果的にカルシウムとリンは尿中に過剰に排泄されて結石が形成されます。

ステロイドホルモンは骨以外にも、腎臓、腸管、副甲状腺などにも作用します。

クッシング症候群は、副腎腺腫からステロイドホルモンであるコルチゾールを過剰分泌する病気です。ステロイド薬の長期投与の患者さんと同様な病態をしめします。

緑内障の治療薬である炭酸脱水素酵素阻害薬(アセタゾラミド)は尿を強アルカリにし、尿中のカルシウム・リンが増加して結石ができやすくなります。

4)尿路結石への検査方法

(1)泌尿器科

尿路結石が疑われる場合は、泌尿器科で診察を受けてください。妊娠の有無、アレルギーの有無などを確認してから疼痛管理をおこなうのが一般的です。

(2)検査項目

同時に身体的所見、尿検査、血液検査、腹部超音波、腎尿管膀胱部単純X線検査(KUB)なども行います。CT検査をおこなうこともあります。

5)尿路結石を予防する3つの食事療法

(1)なるべく多く摂取した方がよい食品

・野菜や果物(尿中でカルシウムが結石形成を防ぐと考えられているクエン酸が多く含まれています)

・穀物や海藻(これらに含まれているマグネシウムや食物繊維も、結石形成を防ぐと考えられています)

・牛乳やヨーグルトなどカルシウムを含む食品

などを積極的に摂取することで、尿路結石の形成を防止することができます。

(2)取りすぎに気をつける食品。

・動物性蛋白質、砂糖、塩分、脂肪が多いものの食べ過ぎには注意してください。

・ホウレンソウやタケノコなどの灰汁の多いもの植物

・チョコレートや紅茶などに多く含まれるショウ酸

・プリン体の多い食品

・ビールなどのアルコール類に含まれるプリン体の過剰摂取

(3)規則正しい食生活

朝昼夕の3食のバランスをとり、朝食や夕食を抜かないようにしましょう。

夕食から就寝までの間隔をなるべくあけるようにしましょう。夕食後から寝るまで4時間以上空けることが望ましいとされています。

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6)尿路結石を予防する運動法

運動をほとんどしないでいると、骨のカルシウムが尿に溶け出し、カルシウム結石ができやすくなります。

全身運動を行うと代謝が高まり、尿管の働きも活発になります。尿を排出しやすくして結石を予防するためには、適度な運動を毎日行うとよいでしょう。

(1)縄跳び

(2)ウォーキング

(3)軽めのジョギング

などの体を適度に上下に動かす運動が効果的とされています。駅や会社でもできるだけ階段を利用するなど、上下運動をする機会をつくりましょう。

水分をたくさん飲んだ後に運動をすると、効果が高まります。

7)その他尿路結石を予防するための3つの生活習慣

(1)水分補給を十分に行う

一日の尿の量を増やすことは、尿路結石の形成の予防で最重要とされています。

水分摂取量の目安は食事以外に1日2000mL以上とされています。1日の尿量を2000mL以上を目標としましょう。

摂取する水分の種類は特に指定しませんが、清涼飲料水、甘味飲料水などの糖分を多く含んだ飲料、コーヒー、紅茶などのカフェインを含んだ飲料、アルコールの過剰摂取は避けてください。

水道水やお茶(麦茶やほうじ茶など)が最も適しているといわれています。

(2)規則正しいバランスのよい食生活

動物性蛋白質や糖分、刺激物の過剰摂取を避け、野菜や穀物を多く食べるようにしてください。毎日三回の食事を規則正しく取ることが予防になります。

(3)軽めの運動を毎日行う

縄跳び、ウォーキング、軽めのジョギングなど、体を上下に動かす運動が予防に効果があるといわれています。

軽めの運動を毎日行う習慣をつけましょう。



今回のまとめ

1)尿の通り道であるこの尿路にできた結石のことを、尿路結石と呼びます。この結石が生成されても自覚症状がない場合もあります。

2)尿路結石は他の病気で尿路が狭窄されること、病原菌感染、水分やカルシウムの不足、摂取している薬剤の影響などが原因となって発生します。

3)尿路結石が疑われる場合は、泌尿器科で診察を受けてください。

4)規則正しい、バランスのよい食生活と水分の摂取、適度な運動をすることで予防することが可能です。