喉の検査をしているナース

喉の奥が痛くなると、一般的には風邪の症状の一つと思われがちですよね。実は、風邪以外にも様々な病気によって喉の奥が痛い症状が出るなる可能性があります。今回はそんな「喉の奥の痛み」に関する原因や病気をご紹介します。






喉の奥が痛い・・!8種類の病気の可能性と治療法とは


1)喉の奥の痛み・・3つの代表的な症状とは?

(1)イガイガしたような痛み

喉の奥に何か引っかかっているような感じのするイガイガ、ガサガサ。喉の違和感としては最もよく見られる症状です。

(2)喉の腫れを伴う痛み

唾や飲み物を飲んだときに痛みがあり、発熱を伴う場合がある。痛みもかなりひどい場合が多いです。外から触ったりしても腫れがわかったりします。

(3)咳や痰も出る痛み

横になったり、温かい食べ物を食べたとき等にむせたり、長い咳がでたりします。風邪などの症状とよく似ているが、咳や痰が1週間以上続く場合は風邪以外の病気の可能性があります。

2)根本的な理由とは・・喉の奥の痛みの4大原因

(1)乾燥

エアコンの風や口呼吸が主な原因で乾燥することがあります。元々の部屋の湿度とは関係があまりなく、エアコンや扇風機の風で部屋の空気が乾燥していきます。常に口が開いていたり、ぼーっとすると口が開いてしまう人は口呼吸をしているので、口呼吸で喉に直接空気が触れてしまいます。

(2)ほこり

喉の粘膜は非常に敏感です。ほこりなどの小さなものでも吸ってしまうと傷ついて、炎症をおこしてしまうことがあります。これらはハウスダストとも呼ばれていて、喉の痛みだけでなく、アレルギーや喘息を発症することもあります。

(3)タバコ

タバコの煙はご存知の方が多いように有害物質が多く含まれています。喫煙者のなかには、ゴホゴホと咳をしていたり、痰をよくはいている人もいると思います。タバコの煙により喉の敏感な粘膜に大きな刺激を与えてしまいます。また、咽頭がんなど、喉のがんの発症率が非喫煙者に比べると30倍にもなるそうです。

(4)花粉・黄砂・PM2.5

春になると、花粉や黄砂があちこちに飛散するため、喉の奥が痛くなる原因となります。刺激による炎症だけでなく、アレルギー症状として痒みも伴う場合があります。PM2.5は花粉や黄砂に比べて大変小さく、マスクをしていてもマスクのわずかな隙間から入ってきます。さらに喉にとどまらず肺にまで入ってしまう可能性もあります。

Woman with cough

3)痛みが続く・・考えられる8種類の病気

(1)扁桃線炎

細菌やウイルスにより扁桃組織が腫れてしまい、喉の奥に痛みを起こします。喉の両側にある口蓋扁桃という箇所が炎症の中心になりますが、扁桃腺は鼻の奥や下の付け根などにもあるので、これらが炎症を起こす可能性もあります。風邪の症状がある時に疑われる病気です。ウイルス感染のほか、アレルギーや蓄膿症、歯周病によって引き起こされることもあります。

(2)声帯炎

声の出しすぎ、アルコール、タバコ、咽頭がんなどがきっかけで声帯が炎症を起こすことを声帯炎といいます。喉の奥の痛み以外に、声がしわがれたり、物を飲み込みにくくなったり、痰が頻繁に絡むなどの症状がでてきます。

(3)ポリープ

声帯炎の原因の一つにもなる「声帯ポリープ」という病気です。声帯にポリープができてしまう病気です。アナウンサーや歌手、カラオケを頻繁に楽しむ人など声をよく使う人や、喫煙者やストレス、不眠症患者にも診られます。喉の痛みが出ることはそこまで多くありませんが、ポリープのできる場所や大きさによっては喉の奥に痛みを感じる場合もあります。

(4)咽頭炎・上咽頭炎

風邪によく似た症状がある時に疑われる病気です。咽頭には、上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分けて考えられています。咽頭炎は頭痛や発熱、咳などの症状がみられることが多いです。上咽頭炎でも頭痛、発熱、咳の症状は出ますが、鼻と喉の間の違和感や口臭なども伴います。どちらも長引いてしまうと慢性化する恐れがあるので、早めに治してしまいましょう。

(5)ヘルパンギーナ

夏に発症する夏風邪の一つです。主に免疫力の低い未就学児の子供に多く発症します。発熱、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、筋肉痛、関節痛などの症状があります。熱が長引いていたり、鼻水がいつまで経っても止まらない場合はヘルパンギーナが疑われます。また、口腔内粘膜に水泡性発疹ができるのも特徴です。

(6)咽頭がん

(4)でも説明しましたが、咽頭には上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分かれます。咽頭がんはこのいずれかの部位にできるがんのことです。どの部位にできても喉の痛みや喉の腫れが症状としてみられます。咽頭がんはステージが進んでいても生存率が高いがんですので、喉の痛みや違和感を感じたら早期に治療することで、治る可能性があります。

(7)喉頭がん

喉頭部にできるがんです。初期症状や自覚症状としては、声がかすれる、喉の異物感、首のしこり、呼吸が苦しい、食べ物が飲み込みにくいなどがあります。喉頭がんは早期発見・早期治療の行いやすいがんと言われており、比較的治療の経過も良いとされています。

(8)甲状腺炎

のどぼとけのすぐ下の甲状腺と呼ばれる臓器が炎症を起こす症状です。首の前が太くなったり、炎症の程度によっては唾を飲み込むと強い痛みを感じる、全身がむくむという症状が見られます。女性は男性の12倍も甲状腺炎になりやすいと言われており、まだ原因は解明されていませんが、女性ホルモンの影響ではないかと言われています。

4)治まらない場合に・・専門家で行う7つの検査方法

(1)咽頭鏡

内科、耳鼻咽頭科の外来診察で、その場ですぐに使える為、喉の奥の痛みを訴えた場合、最初は咽頭鏡で診てもらうことがほとんどです。咽頭鏡で診てもらい、他に検査が必要であれば、検査するような流れが通常です。費用は通常500円程度が相場となります。

(2)内視鏡検査

耳鼻咽頭科では鼻からファイバースコープを入れて喉の奥の詳しい部分まで見ることができます。喉の奥の詳細な写真を見ることもあると思いますが、ハッキリ見ることができるので、痛みの原因を診断できます。費用は通常2,000円以内が相場となります。

(3)超音波検査

喉の奥の痛みが、腫瘍や甲状腺の腫れが原因になっていないかなどを超音波の画像で診察することができます。リンパ節の異常を見ることのできる検査です。内科や耳鼻咽頭科など、超音波検査が可能な病院であればやってもらうことが可能です。費用は通常1,500円以内が相場となります。

(4)CT検査

超音波検査をして、原因が特定できないもしくは何かが発見された為詳細な検査が必要な場合に行う検査です。リンパ節の腫れや腫瘍の質までを詳しく診断する材料となります。被爆や造影剤でのアレルギーなどのリスクが考えられます。また費用は高額になることが多く、5,000円~20,000円程度と言われています。

(5)MRI検査

深い部分での腫瘍の広がりや、組織の変化を調べることができます。CT検査よりもハッキリとした診断を行うことが可能です。咽頭鏡、ファイバースコープ、超音波に比べると費用が高額になることがデメリットです。費用は7,000円~20,000円程度が相場です。

(6)生検

咽喉頭がんが疑われる時に、ファイバースコープの先に器具をつけて、腫瘍の組織をとり、がんかどうかを診断します。血液から診断できる腫瘍マーカーがないので、組織をとって調べるのが確実です。費用は6,000円~10,000円程度が相場です。

(7)PET検査

全身のがんを一度で調べることのできる検査です。喉の奥の痛みだけで検査することはあまりありませんが、がんが疑われる場合には、他の部位などのチェックができるので検査をすすめられる場合があります。費用は保険適用で30,000円程度が相場です。

MRI machine is ready to research in a hospital

5)病気の場合に行われる治療方法

(1)抗生剤の処方

様々なウイルスや細菌に対して効果があります。ペニシリン系とセファム系に分けられ、風邪や咽頭痛にはペニシリン系が処方される場合がほとんどです。セファム系はペニシリン系に比べて、幅広いウイルスや細菌に効果があります。費用は通常1,000円前後が相場です。

(2)抗ウイルス剤・抗菌剤の処方

抗ウイルス剤は特定のウイルスに対してのみ反応する抗生物質のことです。抗菌剤は細菌類に反応する抗生物質です。喉の痛みが伴う細菌性の病気には結核などがあります。

(3)ネプライザー治療

吸入薬を霧状にして、直接気管支に届けるための器具です。吸入薬は経口薬よりも少ない量で効果が大きい為、乳幼児などでも確実に吸入できます。現在では家庭でも利用できるネプライザーが販売されているようですが、主に病院などでできる治療法ですネプライザーのみの場合費用は500円前後が相場です。

6)日常から予防を!喉の痛みへの5つの予防習慣

(1)塩水でうがい

うがいは風邪予防での基本ですが、塩水でうがいをすることで、効果がぐんと高まります。塩水には抗菌作用があるため、喉に付着したウイルスを殺菌して洗い流してくれます。うがい薬を使用した場合、喉の粘膜への刺激がきついですが、塩水だとうがい薬より刺激が弱いです。

(2)野菜の多い食事を心がける

喉の粘膜を強くするにはビタミンやミネラルが効果的な栄養素です。野菜にはビタミンやミネラルを多く含むものが多いので、効率よく摂取することができます。また、蜂蜜にはビタミンやミネラルがたっぷり入っているので、蜂蜜も日ごろから摂取するよう心がけましょう。

(3)部屋の湿度をあげる

空気が乾燥しないよう、冷房や暖房の使い過ぎには気を付けましょう。使用する際には、一緒に加湿器を使うようにすると効果的です。加湿器がない場合は、洗濯ものを室内干ししたり、水にぬらしたタオルをかけるだけでも効果があります。

(4)大声を出さない

カラオケや飲み会、そんな場面ではついつい声が大きくなってしまいがちですが、長時間大声を出すと喉に炎症が起こります。また、飲み会などでアルコールを飲んでいると炎症を起こしやすくなってしまいます。

(5)禁煙する

タバコに含まれる有毒成分は喉の粘膜を刺激し、乾燥を起こしやすくします。禁煙できないようであれば、連続して何本も吸うことを避けるようにしましょう。






今回のまとめ

1)喉の奥の痛み・・3つの代表的な症状とは?

2)喉の奥の痛みの4大原因とは?

3)喉の奥の痛みが続く・・考えられる8種類の病気

4)治まらない場合に・・専門家で行う7つの検査方法

5)病気の場合に行われる3つの治療方法

6)日常から予防を!喉の痛みへの5つの予防習慣とは?