脈を測るナース

脈が早かったり遅かったりする症状は不整脈と言われ、様々な原因が考えられます。放っておくと病気を引き起こす可能性があります。今回、脈が早いことの原因、それにより考えられる病気、またその予防方法もご紹介をしていきます。



気になる脈が早い症状!8つの病気の可能性と対処法とは


1) 脈の正常数値とは

(1)正常数値

脈の正常数値は正確には定められてはいません。ただ、具体的な目安であれば成人の場合、安静時に毎分60~80回ぐらいが平均的といわれています。また、1分間に100回までが正常範囲といわれているので、脈の数がそれより多い・60回より少ないという状態であれば、不整脈が考えられます。

(2)男女・連嶺による違い

男女の性別の違いでも目安の数が違うとされており、一般成人男性の場合は1分間に65~75回程度、一般成人女性の場合は1分間に70~80回程度といわれています。年齢による脈拍数では乳幼児の場合、目安よりも多い毎分100回以上が正常値ですが、加齢とともに脈拍数は減少する傾向にあります。

2)正しい脈を測る3つのポイント

脈を測るといっても時間等によって回数が変わり、脈拍が一定にならないという時の為の正しい脈を測るポイントを3つ紹介します。

(1)日中の一定の時間に計測

夜間~朝にかけて体の代謝が減ってしまうので、脈拍数は下がります。脈を測るときは脈が不規則な時間を避け、日中の決まった時間に測るようにしましょう。

(2)食後30分以上後に計測

食後すぐは副交感神経が刺激されていて、心拍が上がり脈は早くなります。食後に脈拍を測るときは、30分~1時間程度安静状態で時間をおいてから脈拍を測定しましょう。

(3)リラックスした状態で計測

不安や緊張、運動後の低酸素状態でも脈が早くなるのでリラックスした安静状態で脈を測りましょう。

3)脈拍と心拍の違いとは

心拍は心臓が拍動することをいい、脈拍は心臓が血液を送り出す際に動脈に拍動が生じる回数のことをいいます。脈拍と心拍は健康な体であれば大きな違いが出ることはありません。しかし、体に不整脈などの異常があると心拍数よりも脈拍数が少なくなってしまうことがあります。

Young Doctors using laptop and talking

4)脈が早い症状と寿命との関係って?

脈が早いと寿命が短いといわれていますが、これはすべての人が当てはまるわけではなく、普段から脈拍が早い人は特に心配する必要はありません。安静時でも急に脈拍が早くなったりする人などであれば、体に異常が疑われ健康に影響している可能性があるとありました。

5)原因は何?脈が早い場合に考えられる3大原因

(1)交感神経

精神的に緊張や興奮をすると、自律神経のひとつである交感神経が優位に働くので、心臓を動かす信号が多く送られることにより、脈拍は早くなります。

(2)心臓疾患・貧血・更年期障害

脈拍が早くなるのは心臓の動きにより早くなるので、心臓疾患および貧血・更年期障害などの疑いも考えられます。

(3)副作用

薬品や成分の副作用により脈が早くなることもあります。(カフェインも含む)

6)症状が続く場合は注意・・考えられる8種類の病気とは?

脈が早いことにより考えられる病気をいくつか紹介します

(1)心筋梗塞

心臓に血液を送る冠動脈が狭くなり、そこに血液が固まることでできる血栓が詰まり血流が止まってしまう状態です。症状は脈拍の異常があり、その中で脈拍が早くなる発作性頻脈など起こし強い動悸、胸やみぞおちの激痛、吐き気や冷や汗といった症状があらわれます。

(2)心筋症

心臓の筋肉の状態が悪くなり、心臓の機能が低下する病気です。症状は脈拍の異常、胸部の圧迫感、疲れやすいなどがあらわれ、放置すると突然死する可能性もあります。

(3)心筋炎

ウイルスが心臓の筋肉に感染することで炎症を起こす病気です。症状は脈の異常である頻脈、発熱や筋肉痛など風邪に似た症状があらわれ、軽症治る場合もあれば、重症化すると動悸やむくみなどがおこる場合もあります。

(4)心臓弁膜症

心臓にある弁のどれかが十分に開閉しないことにより心臓の働きが損なわれて、脈の異常、動悸、息切れ、胸の痛みなどの症状があらわれます。

(5)貧血

血中のヘモグロビンが減少し、血中の濃度が薄くなった状態をいいます。この状態になると全身に血液を送ろうと心臓が活発になる為、少し動くだけで脈が早くなる、動悸、冷え、頭痛、倦怠感、立ちくらみなどの症状があらわれます。

(6)自律神経失調症

ストレスなどにより自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれる状態です。不安や緊張などにより心拍数が早くなったり、朝起きても心拍数が早くならず体がだるいままであったりと体のコントロールができなくなり、吐き気、多汗、めまいなどの症状が出ます。

(7)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが過剰分泌されることにより、全身のエネルギー代謝が異常に高まってしまう病気です。症状は20~30代の女性に多く、脈が早くなり、動悸、喉仏の下の甲状腺の腫れ、眼球突出が主な症状です。

(8)更年期障害

更年期に女性ホルモンが減ることで自律神経のバランスが崩れることにより、脈が早くなる、肩こり、のぼせ、不安感などの症状が出ます。

Doctor and surgeon reading notes

7)試せる応急処置とは?行いたい対処方法

(1)リラックス状態を保つ

緊張、驚き、ストレスなどは心と体をしばらく安静にし、気分転換すれば治ることがあります。

(2)症状の記録後診察へ

何の前触れもなく脈が早くなった場合などには、脈が早くなった状態とその症状がどれくらい続いたのかを記録しておき、その記録を持って病院受診しましょう。

8)気になる場合は受診を!専門家で行われる可能性のある検査方法

脈が早い症状は、脈に異常がみられる症状の総称である不整脈の検査で行ないます。

(1)心電図検査(ホルター心電図、運動負荷心電図)

(2)胸部X線

(3)血液検査

(4)心臓超音波検査

9)病気の場合には・・病院で行われる可能性のある治療法とは?

(1)カテーテルアブレーション

脈が早い頻脈の場合、カテーテルを足の血管から入れ、高周波により頻脈の原因である心臓の筋肉の一部を焼くことで頻脈を起きないようにするカテーテルアブレーションがあります。

(2)薬物治療

薬物治療として抗不整脈薬が使われることもあります。

(3)除細動器による治療

持続性の心室頻拍がある、電気的刺激によって誘発される場合は、薬物治療・カテーテルアブレーション治療より、体の内側に植込むタイプの植込み型除細動器による治療が優先されます。

10)日常生活から改善を!脈が早い症状への予防のポイント

脈が早い場合にできる予防は原因により分かれます。

(1)たんぱく質・鉄分

貧血により脈が早くなるときは、予防のために良質のたんぱく質と鉄分など栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。

(2)心療内科の受診

不安や緊張で脈が早くなる時は、不安な気持ちを和らげることが予防になります。不安や緊張を自然に和らげるのが難しい方は心療内科や内科にて抗不安薬を処方してもらえる可能性があるので病院にて相談してみましょう。

(3)カフェインを適度に摂取

コーヒーなどに含まれるカフェインを摂取することで脈が早くなる時は、ノンカフェイン飲料に切り替え、カフェイン摂取を制限することで予防できます。

(4)ホルモンの分泌向上

更年期障害により脈が早くなる時は、女性ホルモンのエストロゲンに近い働きをもつ大豆イソフラボンを摂取し、ビタミンEで男性ホルモン・女性ホルモンの分泌を促してみるのもいいでしょう。

(5)減塩

心筋梗塞で脈が早い人の場合、高血圧、肥満、糖尿病の人が多いので塩分・脂肪の多い食事は控えましょう。

(6)十分な睡眠

睡眠不足は心臓に負担が掛かってしまうので、心臓疾患による頻脈を防ぐためにも睡眠をきちんととりましょう。

(7)マッサージ・ストレッチ

日常のストレスが原因で、筋肉が緊張し頻脈など不整脈が起きるときは、緊張した筋肉をほぐす為にもマッサージやストレッチなど軽い運動をして、筋肉をほぐし体への負担を減らしてあげましょう。



今回のまとめ

1)脈の正常数値とは

2)正しい脈を測る3つのポイント

3)脈拍と心拍の違いとは

4)脈が早い症状と寿命との関係って?

5)原因は何?脈が早い場合に考えられる3大原因

6)症状が続く場合は注意・・考えられる8種類の病気とは?

7)試せる応急処置とは?行いたい対処方法

8)気になる場合は受診を!専門家で行われる可能性のある検査方法

9)病気の場合には・・病院で行われる可能性のある治療法とは?

10)日常生活から改善を!脈が早い症状への予防のポイント