診察を行いカルテに記入をする医者

甲状腺の病気とはバセドウ病や橋本病といったものが有名ですが、そのほかにも甲状腺がんといった病気などもあります。女性特有の病気だと思われがちですが、実は男性患者も多くいます。

今回は甲状腺の病気の種類と、治療法などをお伝えしていきます。



甲状腺の5種類の病気!19の前兆とは


1)甲状腺とはどんな部位か

(1)甲状腺の位置

首の部分の喉頭と呼ばれる下方の部分で、気管の前方にある蝶型の内分泌線になります。大きさとしては、左右に広く縦4㎝、厚さ1㎝、重さは10~20gになります。

(2)甲状腺の働き

甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌して物質代謝を促し、身体の成熟を促進させます。甲状腺の働きとしては、食べ物中のヨードを材料にして、甲状腺の中で甲状腺ホルモンを2種類合成し血中に分泌する内分泌の臓器です。

2)甲状腺の3つの役割

(1)甲状腺ホルモンとは

身体の新陳代謝を調節する「甲状腺ホルモン」というホルモンを作っています。

新陳代謝とは脂肪などを増やして活動するために必要なエネルギーを作り出したり、細胞を新しくしたり、身体の成長や機能を維持したりします。

(2)甲状腺ホルモンの分泌

甲状腺ホルモンの分泌には、脳にある視床下部から“甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン”が分泌されます。そこから、脳下垂体を刺激して、甲状腺刺激ホルモンが放出されます。

この甲状腺ホルモン放出ホルモンに働きかける事で、甲状腺ホルモンが分泌されます。

(3)甲状腺ホルモンの調節

甲状腺ホルモンの量は多くても少なくても、良い影響を与えません。常に一定に保たれるようにしていなければいけません。

多すぎると、視床下部の脳下垂体がそれを感知して甲状腺の分泌量を低下させるように働き、調整されます。

3)甲状腺の5種類の病気

(1)単純性びまん性甲状腺腫

びまん性甲状腺腫があるだけで、ホルモンの合成に異常のないもの。将来、バセドウ病や橋本病に代わる場合がある。

(2)バセドウ病

甲状腺を刺激する物質がある為に、ホルモン合成が高まりすぎるもの。動悸がしたり、目が飛び出したりすることもあります。

(3)橋本病

甲状腺に慢性の炎症が行ったもので、慢性甲状腺炎ともいいます。ホルモンの合成に異常がない事も多いですが、合成が低下する事もあります。

ホルモンが一時的に甲状腺から漏れ出す無痛性甲状腺膜炎というものもあります。

(4)亜急性甲状腺炎

甲状腺が張れてしまい痛みや、発熱を起こす場合もあります。ホルモンが一時甲状腺から漏れ出すために、バセドウ病のような遠心的な症状は出ますが、次第に正常になり再発もほとんどありません。

(5)腫瘍性疾患

甲状腺に腫瘍ができるものです。大部分の物はホルモンの合成に異常がありませんが、ふくろ状になったものに液が溜まることもあります。

Male medicine doctor hand holding stethoscope head

4)セルフチェック!甲状腺の病気の19の前兆

(1)甲状腺のセルフチェックについて

日常生活の中で違和感がある場合に、甲状腺の病気という可能性もあります。特徴としてはその症状が長く続いている事です。

当然、別の疾患が考えられますので、何が原因でそのような症状が起きているのか調べる必要があります。

(2)セルフチェック項目

・喉仏の周りが腫れている。(甲状腺が腫れている。)

・イライラすることが多くなった。

・少し動いただけで息が切れる 

・行動すると動悸がする 

・頻脈である 

・食欲が増した気がする 

・少しの動作で大量の汗をかく 

・倦怠感を感じる 

・眼の周りが腫れている 

・ものがダブって見える 

・急に暑がりになった 

・手足が震える事がある 

・注意力が低下した

・眼が飛び出てきたように感じる

・食べても体重が減少する

・不眠

・筋力が低下した

・浮腫

・お腹がくだる

上記の様な症状が長く続くようであれば甲状腺の病気の可能性もありますので、気を付けてみてください。

5)甲状腺の病気の初期・中期・末期

(1)甲状腺機能亢進症について

バセドウ病は自己免疫疾患Ⅱ型アレルギーの1つです。男女比は1:4で年齢は20~40歳代で何らかのアレルギーを持っている人が多いです。

初期症状としては、「甲状腺が腫れて首が太くなる」「頻脈」「動悸・眼球突出」「多汗」「手指の震え」「倦怠感」「眠い」等の症状が現れてきます。

(2)甲状腺腫

甲状腺腫として橋本病があります。外見は首が太くなり、甲状腺が腫れます。甲状腺腫はこの腫れが診断の糸口になります。

甲状腺腫の大きさは、触診しないとわからない物から外見からわかるものまで様々です。

甲状腺機能低下の症状が進むと「むくみ」「皮膚の乾燥」「寒がり」「食欲不振でも体重が増える」「脈がゆっくり静かになる」「無気力になる」といった事が挙げられます。

6)甲状腺のそれぞれの病気の考えられる2つの原因

(1)甲状腺機能亢進症の原因

甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病になります。1000人2人~6人いると言われていて、女性の方が男性よりも5倍というのが特徴です。

原因は体質の変化により、自分の甲状腺を異物とみなして、自己抗体が産生される為におきます。

(2)甲状腺腫の原因

甲状腺髄様のがんはほぼ、原因がわかっていない状態です。

Doctors and nurses discussing together

7)甲状腺の病気への2つの対処方法

(1)甲状腺機能亢進症の対処法

発症初期に安静にすると症状が抑えられる効果があります。気になる症状が出たら、直ぐに専門医にかかり安静にするようにします。

(2)甲状腺腫の対処法

首の腫れに気が付いたら、まずかかりつけの病院に行きます。首の腫れが甲状腺に関係するかどうかというのは、医師であればわかります。甲状腺腫とわかったら、甲状腺専門医を受診しましょう。

8)甲状腺の病気の2つの検査方法

(1)甲状腺機能亢進症の検査

甲状腺機能亢進症の場合は、症状から医師の診断を行い、確定するために血液検査が行われます。検査ではTSH測定が行われ、甲状腺が亢進しているとTSH値が低くなります。

まれに、正常や高くなりますが低い場合には、甲状腺ホルモンの値を測定します。

(2)甲状腺腫

甲状腺の機能を調べる為に、血液中の甲状腺ホルモン濃度の測定をします。下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンの測定も重要です。

少しでも甲状腺ホルモンの不足があると、それを下垂体が敏感に感じてTSHの分泌を増やし血液濃度があがります。

また、甲状腺機能低下症では血中のコレステロールが増えるため、甲状腺機能低下症が見つかる場合もあります。

9)甲状腺の病気の2つの治療法

(1)甲状腺機能亢進症の治療法

“薬物療法”として、甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺役を服用します。その他の方法としては“手術”で甲状腺を一部残して切除しホルモン分泌を抑えます。

“放射線ヨード”としては服用することにより甲状腺組織を破壊します。

(2)甲状腺腫の治療法

甲状腺腫瘍を薬で治す方法はなく”手術療法”が多く用いられます。薬の服用で腫瘍が小さくなるという考え方がありますが、副作用があるためあまり利用はしません。

濾胞ガンの場合には、甲状腺と周囲のリンパ節を取り除く手術が行合われます。

Closeup on medical doctor woman writing in clipboard

10)甲状腺の治療後の2つの予後

(1)甲状腺機能亢進症の予後

抗甲状腺薬を規則的に服用する方法で、適切な薬を飲んでいれば3が決程度で血液中の甲状腺ホルモン濃度が正常になり、普通の人と変わらない生活ができるようになります。

(2)甲状腺腫の予後

甲状腺がんの治療の予後は、がんの種類の中では良好であるケースが多いという特徴があります。進行が緩やかなタイプが多く長期生存できる可能性が十分あります。

術後は甲状腺ホルモンの分泌が減り体外から補充する必要があります。

11)日常生活からできる甲状腺の病気への2つの予防ポイント

 (1)甲状腺機能亢進症の予防

食生活としては体重の減少という症状があることから、不足するエネルギーであるタンパク質、ビタミン、ミネラルの補給を行い、脱水症状が起こらないように水分摂取を行います。

また、ヨードを含む食品を控えます。甲状腺を正常化させる亜鉛はしっかりと摂取し、代謝亢進をさせる唐辛子やアルコール、また化学物質を含む食品を避けるように心がけます。

生活習慣としては、過労を避ける事や心身・身体を安静にします。

(2)甲状腺腫の予防

生活主観としては、はやり禁煙です。他の癌と同様に非喫煙者に比べて喫煙者の羅漢率が高いのは事実です。食生活では、ヨードを多く含む海藻類を多く食べるのは控えます。

ただ、過剰摂取でなければ問題はありません。



今回のまとめ

1)甲状腺機能亢進症の場合、薬物療法が多く用いられます

2)甲状腺腫瘍の場合、手術療法が多く用いられます