レントゲン写真を見せる医師

腎臓結石の患者数は、日本では人口10万人で約53人ほどと言われています。また、一生涯の間に100人のうち4人が一度は尿路結石になると言われています。

今回は、誰にでも起こりうる病気であり症状が出にくい腎臓結石の症状治療法なについてご紹介いたします。






未然予防!腎臓結石の初期・中期・長期症状とは


1) 腎臓結石とは

(1)腎臓結石とは

この病気は、腎臓に結石と言われる塊が出来ることで生理機能などに障害を及ぼすものとなっています。

結石の歴史は古く、古代エジプトに遡ります。

ミイラの腎臓のあったとされる部分から、結石状のものが見つかっておりこの病気は、死後の体内からでも見つけられるケースが多数存在します。

(2) 症状

腎臓結石の症状は突然やってくることが多く、主な症状として寝転がると脇腹あたりに激痛が走ることが挙げられます。

激痛が出てくると、夜も寝ることができないのですが、昼間には嘘のように痛みを感じることなく生活できるので忘れた頃に症状が出てくる病気となっています。

これはあくまで、多く見られる症状であり絶対ではないので、普通に生活していて脇腹付近に痛みを感じることが多くなったのであれば泌尿器科への受診をオススメします。

2)セルフチェック!腎臓結石の2つの前兆

どのような病気でも、自分でチェックを行い早期発見をすることで大事に至らず済むことがあります。

ここでは、腎臓結石を疑う要因を幾つか挙げさせていただき皆さんの指標となるようなことをご紹介させていただきます。

(1)1日に500cc以上のカルシウムを摂取している

(2)代謝が良く汗を頻繁にかいている

以上の2点に心当たりがある場合、腎臓結石の発症率が高まります。理由としまして、人間の水分などの吸収及び処理には限界があります。

牛乳などの飲料乳製品を頻繁に摂取していると、腎臓での処理が追いつかなくなるためにカルシウムなどの成分が腎臓に留まるため、それらの成分が塊を形成するために腎臓結石となり発見されます。

発汗する方は、代謝がとても良く身体にとってはいいことですが、水分を蒸発させていると体内に腎臓結石の原因となる成分が残ることになります。

水分を失うことにより、成分が凝縮され塊となり腎臓内に留まって結石と化します。カルシウムを摂取することは良いことですが、過剰に摂取することで腎臓の働きの限界を超えてしまいます。

そのことにより、本来身体を強くするはずのカルシウムが思わぬ作用を起こすことがあります。何事もやり過ぎには注意しましょう。

3)腎臓結石のそれぞれの段階での症状

ここでは、初期症状・中期症状・末期症状に分けて主な症状をご紹介させていただきます。

(1) 初期症状

結石が生成され始めた当初は腎臓に留まることはなく、腎臓や膀胱の先にある尿管に結石が詰まる尿管結石が起こります。

尿管結石では、排尿の際に血尿が混ざることが主な症状となっており、時に痛みを生じる時があります。

この時点で、発見されると腎臓結石に至らずに治療が施されます。少しでも違和感を感じましたら、泌尿器科へ受診しましょう。

(2) 中期症状

この段階では、血尿による白血球の異常な排出により尿管や膀胱が炎症を起こし発熱を起こす恐れがあります。

その他に、腹部や背中に突発的な痛みや倦怠感が生じます。

この症状は、人により程度が違いますが脇腹付近に断続的な痛みが出てきた場合は腎臓結石を疑うことをオススメします。

(3) 末期症状

末期になると、腎臓結石の影響で泌尿器系の病気を併発してしまいます。まず、腎臓結石の影響で尿を膀胱へ送る部分が詰まることにより尿が腎臓に異様に溜まってしまい腎不全を起こします。

症状としては、尿が出づらくなり尿をしてる感覚が無くなるなどがあり、放っておきますと尿が出なくなって腎臓の働きを失ってしまいます。

早急に泌尿器科へ受診しましょう。

Closeup on concerned medical doctor woman sitting in office

4)腎臓結石と似た症状を持つ病気

腎臓結石の症状に似ている病気としては、尿路結石や膀胱結石がありどちらの病気も腎臓を含む器官で起こるため症状の起こる場所が似ている特徴があります。

名称としては、結石の発生場所によって使い分けられています。

(1)尿路結石の症状

この病気の症状は、結石の小さいうちには排出されるのですが塊が大きくなってくると尿路が詰まり排尿困難に陥ります。

また、結石が小さいうちには血液が混ざった尿が出てきます。まだこの段階では、多少の痛みしかないため、気付きづらいため病院での尿検査の結果で発覚することが多いです。

少しでも、排尿に異常を感じた場合は泌尿器科へ受診しましょう。尿路結石が悪化しますと、肋骨と腰の間に痛みや倦怠感が急激に且つ激しくやってきます。

早急に泌尿器科で処置を受けましょう。

(2)膀胱結石

この病気の症状は、下腹部の激痛に襲われます。

またこの病気は膀胱内の尿濃度が高まってしまい、尿が結晶化してしまい膀胱に結晶が溜まって尿路への進路が絶たれてしまい尿路感染を起こし、高熱が現れてしまいます。

早急な処置をしなければ、膀胱が使用できなくなります。また尿の流れが寸断されたり下腹部に不快感が出てきましたら、泌尿器科へ受診しましょう。

この病気は、男性に多く起こりますので陰茎部に不愉快な感覚が出てきたら、泌尿器科へ受診をしましょう。

5)腎臓結石の考えられる原因

腎臓結石が生成される原因は、身体に吸収、もしくは排出されなくなった物質が腎臓内で小さな核が出来てしまい、時間が経つにつれ結石と化して排尿などの生理機能に影響を及ぼします。

(1)カルシウム

主に、腎臓結石はカルシウムが体外への排出機能に追いつかず腎臓内に留まって核を作ることで生成されます。

腎臓結石の原因となるカルシウムの種類として以下のようなものがあります。

・シュウ酸カルシウム

このカルシウムは、毒性が高く少量ではあるが山芋やサツマイモにも含まれています。

少量でも口に含むと、口内の火傷や麻痺が起きてしまうため調理をすることで毒性を抑えて私たちは食べています。

・リン酸カルシウム

このカルシウムは、主に肥料として利用されており人間が摂取しても影響は少ないものの、環境的に見ると多く含まれてしまうと公害の原因となってしまいますので、農家などでの使用ではご注意下さい。

(2) 痛風

痛風の原因は、たんぱく質が処理される際に発生する尿酸と呼ばれる物質が血液内で過剰に増加し、結晶することで進行すると、泌尿器系に蓄積されていき排出されないため、腎臓の機能を失う危険性が出てきます。

早急に痛風の治療を行い、並んで泌尿器系の精密検査を受けましょう。

Stethoscope in hands

6)腎臓結石の3つの検査方法

ここでは、腎臓結石を見つけるために行う代表的な検査方法をご紹介させていただきます。

主に腎臓結石は、尿検査・レントゲン撮影・超音波検査があります。ここからはそれぞれの検査方法について概要などをご紹介させていただきます。

(1) 尿検査

この検査方法では、血尿の有無について調べます。

前述しました通り、尿管結石や腎臓結石が発症している場合小さな結石の欠片が尿に混じったり尿道を通る際に粘膜などを傷けながら進行していきます。

ですので少量だとしても尿に含まれるため、尿検査は結石の有無を判断するための大変重要な検査となっております。

(2) レントゲン撮影

この検査では、腎臓をレントゲン撮影して結石の有無を調べます。

結石が生成されると腎臓や泌尿器系をレントゲン越しに映すことができるため、ハッキリとした診断を受けることができるでしょう。

(3) 超音波検査

この検査では、レントゲン撮影より細かいところを見ていきます。超音波検査では、腎臓と膀胱を繋ぐ細かい経路などの流れを見て結石の有無を診断します。

こちらの検査は、詳細に状態を見ることができますので先ほどの2つとともにまとめて検査を受けることをオススメします。

7)腎臓結石の3つの治療法

腎臓結石の治療法は幾つかあります。今回はその中でも3種類の治療法をご紹介させていただきます。

(1) 保存療法

この療法は主に、結石が見つかっても大きさが1cm以下の場合に行われます。日常での対処法として、水を小まめに摂取をし腎臓の活動を活発化させ自然排出を促す効果があります。

また上下に身体を揺らす運動を重ねると、腎臓内の結石も動くために効果的だとされています。

(2) 体外衝撃波砕石術

保存療法が使えるほど小さい結石でなくなった場合に、この治療法を行います。

この療法は、診療ベッドに横になり衝撃波の出る機械を身体に当てて結石を細かく砕くというものとなっています。

従来は、機械が大きくコストもかかっている上に個人負担で治療を受けることになっていましたが、現在は、コストダウンと機械の小型化が進んでいる上に保険も適用されるようになったので、有効な治療法とされています。

結石を砕いた後は、保存療法で経過をみることが多いです。

(3) 開放手術

この療法は、腎臓結石が大きくなりすぎている際に適用されるものとなっています。

尚、この手術は腎臓結石の中でも特殊な症例や泌尿器系の他の部分への転移が見られる際に行われますので、近年の日本では手術をする方自体は減少傾向にあります。

その分、先述した2つの治療法で対処が行われることがほとんどとなっております。

empty nurses station

8)治療後の2種類の予後

この腎臓結石は、大変再発率が高い病気となっておりますが生活習慣を考えることにより治療後の順調な経過と健康的な生活を送ることが可能となります。

ここでは、2つの治療後の指導をご紹介させていただきます。

(1) 飲水指導

この指導は、1日に約2リットルの以上の飲料水を小まめに分けて飲むことで、腎臓内での諸成分の凝縮や結石化を避けることが見込まれます。

オススメの飲料水としましては、お茶類や通常の水となっております。

逆にオススメ出来ない飲料水としましては、紅茶やコーヒー、アルコール類となっており、これらは水分としての吸収力が少なく脱水症状を起こすものもあるものとなっています。

(2)服薬指導

この指導では、腎臓結石の生成を抑制する薬を主に服用して治療後の再発防止を行います。

腎臓結石の再発防止には、クエン酸を含んだ薬を服用することで再発防止が行われます。

クエン酸には、尿の成分をアルカリ性に変化させる働きを持ち、腎臓結石が再び発生したとしても排出されやすくなるため、クエン酸の含有された薬を医師から処方され服用していくという治療後の生活を送っていくことが多いです。

9)腎臓結石への食事療法

ここでは、腎臓結石ができた際におススメする食生活をご紹介させていただきます。

腎臓結石のリスクを抑えるためのポイントとして、夕食時間は早めに済ませることで消化を夜中に持ち越さないということに注意を払いましょう。

(1)成分を大切にする食べ物

食事療法では、成分と全体のバランスを取ったうえで食物を選んでいきましょう。腎臓結石を抑制する成分として、カリウムが大切と言われています。

カリウムには、尿の性質を正常に留めて尿の濃さなどを調整してくれる働きがありますので、腎臓疾患のある方はカリウムを積極的に摂取していきましょう。

また、マグネシウムの摂取も腎臓結石予防につながります。マグネシウムは、尿に含まれるカルシウムの量を増加させる働きを持っています。

カルシウムを排出されるためには、マグネシウムと水分の存在が欠かすことができません。

(2)食べ物

先述したカリウムとマグネシウムを効率的に摂取するために効果的な食べ物をご紹介させていただきます。

・カリウムを含む食べ物

パセリ・豆類・ヨモギが代表格としてあります。

上記の3種類の他にもカリウム含有量が多い食材はありますが、腎臓結石の予防に繋がる水分の量も兼ね備えた食材としてオススメさせていただきます。

豆類に関しては、味噌や納豆などの大豆類が特に進められています。

好き嫌いをせずに摂取していきましょう。

・マグネシウムを含む食べ物

シラス・あさり・豆類が代表格としてあります。

マグネシウムは、海の生物に多く存在しますので日頃より魚類や貝類を豊富に使った食べ物を摂取していきましょう。

豆類に関しては、先ほどのカリウム同様マグネシウムも含有していますので日本人に馴染み深いみそ汁など食べていきましょう。

10)腎臓結石を予防するポイント

ここでは、食生活・睡眠生活・運動生活などの生活習慣でのポイントをご紹介させていただきます。

(1)食生活

前章でもご紹介させていただいた通り、マグネシウムやカリウムを積極的に摂取していきましょう。またカルシウムの過剰摂取を回避し、クエン酸などを摂取できるような食生活を行いましょう。

また腎臓の過度な働きを抑えるために塩分の量にも気を使っていきましょう。減塩や野菜と果物中心の一汁三菜の栄養バランスに富んだ食生活を行っていきましょう。

(2)睡眠生活

睡眠は腎臓を含む多数の臓器が休憩や調子を整えるために大切な時間となっており、一日6〜8時間の睡眠が腎臓結石予防にもつながります。

さらに睡眠は、身体の代謝を良くしてくれるため尿の排出も盛んになるために腎臓結石の予防になります。

もちろん腎臓以外の体調管理にもつながりますので、できる限り日を越さないように寝付くように心がけていきましょう。

(3)運動生活

日頃から運動をしていると、身体を強くすることにもなるうえに腎臓結石ができている場合には体内で結石が揺れることで自然に体外への排出される可能性があります。

簡単な運動とともに、上下に飛び跳ねるような運動を行うことをオススメします。






今回のまとめ

1) 腎臓結石とはなにか

2) セルフチェック!腎臓結石の前兆とは

3) 腎臓結石のそれぞれの段階での症状

4) 腎臓結石と似た症状を持つ病気とは

5) 腎臓結石の考えられる原因

6) 腎臓結石の検査方法

7) 腎臓結石の治療法

8) 治療後の予後

9)腎臓結石への食事療法

10)腎臓結石を予防するポイント