患者に問診を行う男性の医者

インスリンは糖尿病の治療に欠かせない薬です。インスリンにも種類があり使うタイミングや効能はそれぞれ異なります。

今回はインスリンとそれにまつわる重要な「単位」について、またインスリン治療の副作用などもふまえてお伝えをします。



インスリンとは何か!5つの種類と注意点


1) インスリンとは何か

「インスリン」とはすい臓でつくられているホルモンのことです。血液中のブドウ糖(血糖)を少なくする働きを持っています。

すい臓に「ランゲルハンス島のβ細胞」という名前の細胞が多数あり、インスリンはこの細胞で作られています。

2)インスリンが必要な2つのケース

インスリンは糖尿病の治療に必要です。糖尿病とは血液中のブドウ糖の割合い、(血糖値といいます)が高くなりすぎる病気です。

(1)Ⅰ型糖尿病

この高くなりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが必要になってきます。インスリンを自分で作れないⅠ型糖尿病患者さんはインスリン療法が絶必です。

(2)Ⅱ型糖尿

また、日本人の95%以上がこのタイプだと言われているⅡ型糖尿病の患者さんにもインスリン治療法が有効とされています。

3)インスリンの5つの種類

健康な人のインスリン分泌では、食事などによって血糖値が上がった事に反応して一時的に出る「追加分泌」と、一日中、一定の割合いで少しずつ出る「基礎分泌」という種類があります。

インスリン治療では、この「追加分泌」と「基礎分泌」のうち、不足している分をインスリン注射で補います。

また、「追加分泌」と「基礎分泌」を両方補う治療法もあります。

また、インスリンにはその効果が現れるスピードによって「超速攻型」「速効型」「中間型」「持効型」「混合型」の種類に分けられます。

Patients undergoing the medical condition of the description

4)インスリンの単位の解説!インスリンの平均

(1)単位とは効果の基準値

それでは、インスリンの「単位」とは何か、を解説します。医薬品の中で、特にホルモン剤や抗生物質、ビタミン剤などの投与量のことを「単位」と言います。

この「単位」は医薬品の生物学的活性の強さを示しているのです。簡単にいえば生体に対する効果の基準値のことです(国際単位が使われています)。

(2)1日平均31単位

現在ではインスリン1㎎あたり26単位以上を含むと規定されています。ちなみに、健康な人の一日に分泌されるインスリンの平均は31単位といわれています。

このような健康な人の単位に則り、インスリンがほとんど分泌されていないと思われる糖尿病患者さんに、1日体重kg当たり0.5~0.7単位を注射すれば治療に効果が期待できると考えられているのです。

5)インスリン治療の主な4つの副作用

インスリン療法、特にインスリンの注射は血糖値をコントロールでき、有効な治療法です。それでも副作用が全くない訳ではありません。

(1)低血糖症

(2)インスリンアレルギ

(3)インスリン抗体による低血糖または高血糖

(4)インスリンを注射している皮膚の部分が膨らむ、またはへこむ

などの上記の副作用が報告されています。

6)インスリン治療の期待できる効能

(1)血糖値の安定

(2)同化作用

インスリン治療の期待できる効能には、「血糖値の安定」のほかにも筋肉などの合成を促進させる「同化作用」というものがあります。

インスリンの働きによって全身の細胞が糖を取り込んで貯蔵します。この摂取した栄養分を筋肉などの必要な部分に取り込んで、栄養を蓄える働きのことを同化作用と言うのです。

この同化作用の働きが衰えると人は餓死してしまうので、非常に大切な働きといえます。

Doctor and surgeon reading notes

7)インスリン治療の4つの注意点

インスリン治療での注意点は以下4つあります。

(1)自己判断

低血糖や高血糖になったから、とインスリンの単位を自己判断で増やしたり減らしたりしないこと。血糖値は食事時間や運動などでも変化するケースがある。

必ず医師と相談しながら治療を続ける。

(2)凍らせない

インスリンは凍らせると変質してしまうため凍らせないこと。凍ったインスリンを溶かして使用することは不可。

(3)食習慣

決められた食事以外の間食は、インスリンのコントロールを乱すのでNG。

(4)現状数値の把握

今、どの種類のインスリンをどのくらい注射しているのか、HbA1Cはいくつなのか、目標との差はどのくらいなのかなど、治療について自分自身がきちんと理解する。

8)最新のインスリン治療とは

インスリンの新しい治療法のひとつとして「BOT」という治療方法があります。BOTとは、今服用している飲み薬を続けながら、効果が持続するタイプのインスリン「持効型」を一日一回注射する、という治療法です。

これまでの基礎インスリン治療法では作用時間が短い上にピークがあったために、健康な人の基礎分泌の再現が難しかったのです。

ところが、この「BOT」により、ほぼ24時間効果が持続する上に、明らかなピークがないこの治療法は、特に初めて糖尿病の治療をする人におすすめです。

9)インスリン治療前に未然にできる予防ポイント

(1)カロリー制限

糖尿病を予防できればインスリン治療も必要ありませんね。糖尿病に罹らないためにはなんといってもカロリーを摂り過ぎないことです。

また適度な運動を継続して行うことも大事です。糖尿病の予備軍にならないためには、早速今日から食事を見直しましょう。

(2)品目数の多い食習慣

バランスのとれた栄養を、一日に必要なカロリーの範囲で補えばすい臓への負担も減ります。食事のポイントとしては、朝昼晩の3食をきっちり摂ることです。

また、野菜やキノコ類、海藻、玄米、麦などの食物繊維を摂る、豆腐や大豆など植物性タンパク質、魚や肉などの良質のたんぱく質、炭水化物をバランスよく摂取しましょう

(3)運動習慣

日々の生活ではなるべくストレスをためない、ウオーキングなど有酸素運動を続ける、早寝早起きを心掛け、規則正しい生活を送りましょう。



今回のまとめ

1) インスリンとは何か

2)インスリンが必要な2つのケースとは

3)インスリンの5つの種類とは

4)インスリンの単位の解説!インスリンの平均とは

5)インスリン治療の主な4つの副作用とは

6)インスリン治療の期待できる効能とは

7)インスリン治療の4つの注意点とは

8)最新のインスリン治療とは

9)インスリン治療前に未然にできる予防ポイント

「インスリン」とはすい臓でつくられているホルモンのこと。血液中のブドウ糖(血糖)を少なくする働きを持っている。

インスリンは糖尿病の治療に有効。糖尿病とは血糖値が高くなりすぎる病気で、この高くなりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが必要。

医薬品の中で、特にホルモン剤やビタミン剤などの投与量のことを「単位」と言う。この「単位」とは生体に対する効果の基準値のことで国際単位が使われている。

現在ではインスリン1㎎あたり26単位以上を含むと規定されている。健康な人の一日に分泌されるインスリンの平均は31単位といわれている。