患者と握手を行う医者

ヘモグロビン不足で起こる症状の代表は貧血です。でもそもそも、ヘモグロビンの基準値とはどのくらいなのでしょう。高い値を示す場合、どういった疾患があるのかご存知でしたか。

毎日を元気に過ごす第一歩、「血」についての知識を深めましょう。






ヘモグロビンの基準値解説!5つの改善法とは


1)ヘモグロビンの基準値とは

(1)ヘモグロビンとは

ヘモグロビンとは、ヘムという色素とグロビンというたんぱく質からできている、血液中の赤血球にある血色素のことです。肺から全身へ酸素を運び、排出された二酸化炭素を回収します。

(2)基準値

男性:13.1~16.6g/dL 

女性:12.1~14.6g/dL

※基準値は医療機関ごとに異なります。上記は一例です。

2)ヘモグロビン値が低い5つのリスク

ヘモグロビンが少なくなることで起こる症状の代表は貧血です。その中でも以下のように、いくつかの種類にわかれます。

共通の症状としては、目まい、立ちくらみ、耳鳴り、動悸・息切れ、疲れやすさ、食欲不振、顔面蒼白、頭痛、微熱、寒さを感じやすくなる、といったものがあります。

(1)鉄欠乏性貧血

貧血全体の70%を占めます。「ヘモグロビンの主な材料である鉄が不足することでヘモグロビンをつくることができなくなり起こる症状」です。

(2)再生不良性貧血

「血液をつくっている骨髄が脂肪に置き換わり、骨髄の働きが低下することで、赤血球や白血球、血小板をつくらなくなる病気」です。

(3)悪性貧血(巨赤芽球性貧血)

「中高年に多く、赤血球をつくるのに必要なビタミンB12や葉酸の欠乏によって起こる症状」です。

(4)溶血性貧血

「生まれつき赤血球に欠陥がある場合や、赤血球の膜が壊れ、ヘモグロビンが流出することで起こる症状」です。

(5)二次性貧血(続発性貧血)

がんや腎臓病、肝臓病、感染症といった病気の二次症状として起こるものです。一般的な貧血の症状が発症します。

3)ヘモグロビン値が高い3つのリスク 

ヘモグロビン値が高い場合、以下の病気の可能性があります。

(1)真性多血症

「骨髄の造血管細胞が腫瘍となり赤血球が過剰に生産される」病気です。顔が赤みがかる、全身にかゆみが出る、眼の充血、頭痛といった症状が見られます。

(2)脱水症

水分の排出により血液の液体成分が減少するため、ヘモグロビンの量がそのままでもヘモグロビン値は上昇します。

(3)赤血球増加症

「酸素の欠乏を防ぐため、酸素を運搬する赤血球の数を増やす」ことで起こるものです。高所居住者や肺気腫などの慢性肺疾患、先天性心疾患を持っている人に見られます。

Stethoscope in hands

4)ヘモグロビン値が低い・高い場合の症状

(1)ヘモグロビン値が低い場合

動悸・息切れ、倦怠感、皮膚の蒼白、爪の反り返り(さじ状爪)などの「貧血」の症状見られます。

(2)ヘモグロビン値が高い場合

原因・病気により異なります。「真性多血症」の場合、顔の赤み、眼の充血、頭痛、全身のかゆみ、めまい、耳鳴りといった症状が現れます。

「赤血球増加症」の場合、脱力感、頭痛、疲労感があり、呼吸困難や視覚障害に至ることもあります。「脱水症」であれば、発熱、食欲不振、口の中の渇き、頭痛、嘔吐といった症状が見られます。

5)ヘモグロビン値が少ない4つの原因

(1)鉄の摂取不足

食事の内容が偏ったり、外食やインスタント食品に頼った生活、また、ダイエットなどによっても、鉄の摂取が減少する傾向にあります。

(2)鉄需要の増加

骨・筋肉が形成される子どもの成長期や、妊娠・授乳期では多くの鉄が必要となります。

(3)出血を伴う疾患

消化器系のガンや末期がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸潰瘍、慢性腎不全、肝硬変といった病気により出血が起こることで、ヘモグロビン値が下がることがあります。

(4)吸収力の低下

胃の切除などによる胃酸の分泌不足で、吸収できる鉄分が減少することがあります。

6)ヘモグロビン値が低い・高い場合の対処法

(1)ヘモグロビン値が低い場合

貧血の中でも高い割合を占める「鉄欠乏症貧血」への対策や予防についてご紹介します。

鉄分の摂取

鉄分の中でも、緑黄色野菜や海藻などに含まれる「非ヘム鉄」に比べ、レバーや赤みの魚に多く含まれる「ヘム鉄」は5倍も吸収力が高いという特徴があります。

貧血の時はヘム鉄を積極的に取ることがおすすめですが、非ヘム鉄を摂取する場合はビタミンCと一緒に取ると吸収力が上がります。

造血効果のあるビタミン類

鉄の吸収を高めるビタミンCや正常な赤血球をつくるビタミンB12、葉酸といったビタミン類を積極的に取りましょう。

(2)ヘモグロビン値が高い場合

対処法は原因となる病気が何かによって異なります。まずは原因の特定を行い、医師の指示に従って対処法を行いましょう。

Doctor and patient are discussing something, just hands at the table

7)ヘモグロビン値が低い・高い場合の治療法

(1)ヘモグロビン値が低い場合

鉄剤の内服

服用開始から3~4週間程度でヘモグロビンが増加し、2~4か月でヘモグロビンが正常値になります。血液検査なども定期的に行います。

注射による治療

内服が難しい場合などは点滴による鉄の補充を行います。

(2)ヘモグロビン値が高い場合

原因となる病気により異なります。真性多血症の場合、「瀉血」という血液を外部に排出させることでヘモグロビン値をコントロールする治療法が中心になります。

ヘモグロビン値が非常に高い場合などは経口抗がん薬を使用する場合があります。

8)ヘモグロビン値が低い・高い場合へ摂取すべき4つの食材 

(1)ヘモグロビン値が低い場合

レバー(豚レバー、鶏レバー)

吸収率の高い「ヘム鉄」を多く含んだ食材です。レバーにはこの他、造血効果のあるビタミンB12や葉酸も含まれています。

※レバーにはレチノールを多く含んでいるため、妊娠中の過剰摂取には注意が必要です。

しじみ・あさり

こちらもヘム鉄の含量が多い食品です。

魚類

良質なたんぱく質はヘモグロビンの材料となり、造血作用のあるビタミンB12を含んでいます。また、特にまぐろやかつおにはヘム鉄が多く含まれています。

(2)ヘモグロビン値が高い場合

ヘモグロビンの濃度を下げるため、利尿作用のあるコーヒーや紅茶を避け、水をよく飲むようにしましょう。

9)ヘモグロビン値が低い・高い場合への5つの予防ポイント

(1)ヘモグロビン値が低い場合

バランスのよい食事

主食・主菜・副菜がそろっており、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

運動習慣

運動により酸素を多く運搬する必要が高まり、赤血球、ヘモグロビンが増加します。30分程度は続けられるような、適度な有酸素運動がおすすめです。

(2)ヘモグロビン値が高い場合

原因として、喫煙やストレスが考えられ、これらは他にも様々な病気のリスクがあります。また、肥満も要因の1つと考えられているので、バランスの取れた食事が大切です。






今回のまとめ

1)ヘモグロビン値が低い場合は、鉄分の中でも吸収率の高い「ヘム鉄」を多く含む食品を取り入れる。

2)ビタミンCやビタミンB12、葉酸といった造血効果のあるビタミン類を積極的に取り入れる。

3)ヘモグロビン値が高い場合はよく水を飲むよう心がける。

4)ヘモグロビン値が低い場合、鉄分、たんぱく質、ビタミン類を含むバランスのよい食事と適度な運動が大切である。

5)喫煙、ストレス、肥満は避けるよう努める。

 普段の生活を見直して、よい「血」から健康的な毎日を目指しましょう。