診察を受ける若いカップル

悪玉コレステロールは増えすぎると血液中にたまり、動脈硬化を進行させる可能性があります。動脈硬化に限らず、生活習慣病など様々な病気と関係が深いものです。

今回は悪玉コレステロール値が高い危険性や病気の可能性、対処方法などをお伝えします。






悪玉コレステロール値が高い3大原因!


1)コレステロールの2つの種類とその役割

コレステロールとは、動物性脂肪の一種で、脳や脊髄、副腎をはじめとする肝臓や腎臓、皮膚などさまざま器官に存在しています。コレステロールには次の2種類があります。

(1)コレステロールの種類

遊離型コレステロール

主に細胞やリポ蛋白の膜構成成分

エステル型コレステロール

細胞内や血液中での貯蔵や運搬の役割

(2)コレステロールの役割

ステロイドホルモンの材料

コレステロールは、ステロイドホルモンの原材料となっています。

ステロイドホルモンとは、体内のタンパク質から糖質を作り心身の活性化させる副腎皮質ホルモンや、男性ホルモン、女性ホルモンなどの性機能を強める性ホルモンのことを言います。

胆汁の原料

コレステロール食事に含まれる脂肪分や脂溶性のビタミンを小腸で分解消化吸収するのを助けるために肝臓で作られる胆汁の主成分である胆汁酸の原料になっています。

(3)善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)

善玉コレステロール(HDL)

全身を循環して余分なコレステロールを回収し肝臓に戻す。余分なコレステロールは肝臓でしか分解できません。

悪玉コレステロール(LDL)

肝臓で作られたコレステロールを体内に運搬する働きを持ちます。

どちらのコレステロールも本来体には必要です。

健康な状態であれば、必要な分だけ細胞にコレステロールが運ばれ、余分なコレステロールが回収されますが、善玉コレステロールが少なかったり、悪玉コレステロールが多ければ、バランスが崩れ血液中や血管壁内に余分なコレステロールが取り込まれたり沈殿すると血管の内腔を狭め血管の壁を硬化させたり、血液の流れを阻害したり止めたりします。

これが動脈硬化となり、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患になりやすくなります。

2)コレステロールの基準値

人間の体には、コレステロール量を常に一定に保とうとする調整機能がありますが、コレステロールや飽和脂肪酸の多い食事を続けるとこの機能が働かなくなり血液中のコレステロールが増加して高脂血症になります。

コレステロールの検査は、血液検査で行います。総コレステロールと悪玉コレステロール(LDL)を検査します。

(1)適正域

総コレステロールで220mg/dl未満、LDLコレステロールで140mg/dl未満です。

(2)境界域

総コレステロールが220~239mg/dl、LDLコレステロールで140~159mg/dlとなります。

(3)高コレステロール血症

総コレステロールで240mg/dl以上、LDLコレステロールで160mg/dl以上となります。

検査結果でコレステロール値が高い場合は、早めに医療機関を訪れ、食事療法や運動療法などの指導を受けることが大切です

3)悪玉(LDL)コレステロール値が高い2つの危険性

(1)悪玉コレステロール(LDL)の役割

LDLは細胞にコレステロールを運ぶ役割を持ちます。そのためLDLがなければコレステロールを細胞は受け取ることができず、細胞膜やホルモンを作ることができなくなります。

(2)過剰摂取の危険性

しかし過剰にコレステロールを運ぶと血管壁にコレステロールが沈着し、動脈硬化の原因となります。しかしLDLそのものが動脈硬化を起こすのではありません。

余剰のLDLが活性酸素により酸化することにより血液中に停滞し、動脈硬化を発生させます。

group of doctors meeting at hospital office

4)悪玉コレステロール値が高い場合の初期・中期・末期症状

次のような症状が現れます。

(1)初期

LDLコレステロールが血管壁にたまり動脈硬化となります。

(2)中期

動脈硬化により血液が不足し心臓の筋肉が必要とする酸素供給ができなくなり狭心症の症状が現れます。

(3)末期

動脈硬化部分の血管が破損することにより血小板が集まり血栓ができます。その血栓が血管をふさいでしまい血流の流れが止まってしまいます。

その血栓のできる場所が心臓の筋肉であれば心筋梗塞、脳の血管であれば脳梗塞となります。

5)悪玉コレステロール値が高い3つの原因

食生活の乱れが原因の場合が多いです。

(1)高エネルギーの食事の摂取

(2)多量の飲酒習慣

(3)甘いものや動物性脂肪の取り過ぎ

摂取するエネルギー量と比較して運動量が少ないため消費されないコレステロール、中性脂肪がたまり、高脂血症となます。

さらに運動不足、高エネルギーの摂取を続けると善玉(HDL)コレステロールが減少し、悪玉(HDL)コレステロールが増加します。

年齢的には、男性は、30歳代、女性は、50歳代からコレステロール値が高くなりがちです。

6)善玉コレステロールが高いメリット

善玉(HDL)コレステロールは小さな粒子です。そのため動脈の壁の内外を自由に出入りできます。そこでHDLは血管内皮のコレステロールを回収して肝臓まで運搬する掃除の役目をしています。

血中にHDLが少なくなると余分なコレステロールを回収することができなくなり、血管に脂質がたまり動脈硬化を起こす可能性が高まります。

また悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぐ効果もあります。

(1)善玉(HDL)コレステロールを高くするもの

運動・体重減少・女性ホルモン・薬剤(フェニトイン、シメチジン、ニコチン酸など)・CETP欠損症

(2)善玉(HDL)コレステロールを低くするもの

運動不足・肥満・高中性脂肪血症・2型糖尿病・肝疾病・喫煙・薬剤(プロプコール)

健康な状態であれば必要な分コレステロールは、細胞に運ばれ、余分なコレステロールは、スムーズに回収されます。

しかし善玉(HDL)コレステロールが少なかったり、LDLコレステロールが血液中で酸化して悪玉になったりすると血管壁に余分なコレステロールが沈着して動脈硬化の原因となります。

診察を行うドクター

7)コレルテロール値を検査する方法

次のような検査があります。

(1)血液検査

コレステロールや中性脂肪などの血清脂質の値は、血液検査によって調べることができます。

(2)血液学的検査

白血球数、赤血球、血色素量(ヘモグロミン)などの検査です。主として貧血や血液疾患などの有無がわかります。

(3)生化学的検査

尿酸、総コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、血糖、AST(GOT)、ALT(GPT)などを検査します。高脂血症、糖尿病、肝・腎機能障害などがわかります。

(4)血清学的検査

C反応性蛋白(CRP)、HBS抗体、HCV抗体などを検査します。膠原病、ウィルス性肝炎なdがわかります。

(5)血圧検査

高血圧と動脈硬化は因果関係があります。血清脂質の値が高い場合定期的な血圧検査が有効です。

(6)胸部X線検査

心拡大、心不全の有無がわかります。

(7)心電図検査

安静時検査で心臓の動きを調べ、必要時は、24時間計測を行います。

(8)眼底検査

(9)運動負荷試験

狭心症などが疑われる場合に運動している状態での心電図を測り、虚血の有無を調べます。

(10)超音波検査

超音波により動脈硬化による血管の形態的変化を調べます。

8)コレステロールに関して相談できる専門家

コレステロール値が高い場合、まずその原因を探ることから始まります。その原因に応じた診察を受診したり、経過観察になったりします。その中で次のような原因が考えられます。

(1)脂肪肝

(2)高脂血症

(3)糖尿病

これらの原因によって消化器内科、内分泌科、総合内科等の診察する科が決まります。

9)善玉コレステロールの増やし方!トレーニング

自らの標準体重を知りそれに合わせて減量を行います。体重の5%を減量目標とします。

(1)適切なエネルギー摂取:摂取と消費のエネルギー量を同じ量にするように心がけます。

有酸素運動を無理せず継続できる範囲で行うことが重要です。運動するのが難しい場合は、階段を使う、できるだけ歩くなどできる範囲からでも運動が行うことを心がけることが重要です。

(2)有酸素運動の例

サイクリング・軽いジョギング・ウォーキング・ダンス・水中ウォーキング・スイミング

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10)善玉コレステロールの増やし方!8の食事法

食事療法で一番重要なことは、栄養バランスの取れた食事です。

(1)摂取するエネルギー量を調整する

(2)1日のコレステロールの総摂取量を300mg以下にする

(3)動物性脂肪の摂取を減らして植物性脂肪た魚油を多くとる

(4)食物繊維を多くとる

(5)脂肪を取り過ぎない

(6)酒や菓子類を控える

(7)野菜の摂取量は、1日350gを目安とし、うち120g以上は、緑黄野菜にする

(8)抗酸化食品を充分にとる

11)悪玉コレステロール値を減らすのに必要な栄養素

魚介類、特にイワシやサバなどの背の青い魚には、コレステロール値を下げる作用があります。不飽和脂肪酸としてEPAやDHAが多く含まれます。

(1)EPA

イコサペンタエン酸。不飽和脂肪酸の一種です。血液中の中性脂肪、リン脂質、コレステロールを減らし、血栓ができにくくし、動脈硬化などの予防に効果があります。

(2)DHA

ドコサヘキサエン酸。不飽和脂肪酸の一種です。EPA同様動脈硬化や脳溢血、心筋梗塞などの予防に効果があります。

イカ、たこ、カツオなどに含まれるタウリンというアミノ酸も、コレステロールを減少させる働きがあります。

12)悪玉コレステロール値を減らす4つの食事法

バランスの取れた食生活を行います。具体的には、カロリーの多くは、パンや米などの穀物から摂取し、野菜、果物を多く摂取し、肉類や乳製品からの蛋白摂取を控え、油や脂肪、甘味類を極力避けるような食事を心がけます。

次の4大栄養素をバランスよく摂取します。

(1)蛋白質類:肉や魚、卵、牛乳など

(2)脂質類:サラダ油など

(3)糖質類:果物、砂糖

(4)ビタミン・ミネラル類:野菜や海藻

1日30品目を目標に4大栄養素をバランスよく摂取します。

13)悪玉コレステロールを減らす3つの予防ポイント

(1)食生活

多くの種類をバランスよく、少しずつ規則正しく摂取する。朝食を抜いたり欠食をしない。日本型の食事を取り穀物を多く取る。

(2)生活習慣

喫煙しない。喫煙は、体内の善玉(HDL)コレステロールを減らします。

(3)睡眠週間

夜更かし朝寝坊せず、脳の視床下部にある体内時計を正しく動かす。

(4)運動習慣

安全で効果的に有酸素運動をできる範囲で長く続ける。

何かと邪魔者扱いされているコレステロールですが、生きていくには必要な役割を持つものです。

役割をよく理解しコレステロールを適切にするために好ましい食生活や生活習慣を身につけ、適度な運動をすることにより生活習慣病を予防軽減ができます。






今回のまとめ

1)コレステロールの2つの種類とその役割とは

2)コレステロールの基準値とは

3)悪玉(LDL)コレステロール値が高い危険性

4)悪玉コレステロール値が高い場合の初期・中期・末期症状とは

5)悪玉コレステロール値が高い原因とは

6)善玉コレステロールが高いメリット

7)コレルテロール値を検査する方法とは

8)コレステロールに関して相談できる専門家とは

9)善玉コレステロールの増やし方!トレーニングとは

10)善玉コレステロールの増やし方!10の食事法とは

11)悪玉コレステロール値を減らすのに必要な栄養素

12)悪玉コレステロール値を減らす食事法とは

13)悪玉コレステロールを減らす3つの予防ポイントとは